佐野洋子『死ぬ気まんまん』が素晴らしくおもしろいが、こんな捨て鉢でとっ散らかりながら、素敵に品位がある文章は珍しい。佐野は書いている。ジュリーの昔が、そして今の姿も好きなのだが、「デブになっても平然としているところが、人間が大きい。郷ひろみが、懸命に昔の体形を保とうとしているのはセコイ根性で、人間が小さいと思う」。ぼくはここを読み、ワハハと笑った。本当にその通りだからである。プラスティックを貼付けたみたいな皮膚で、溌剌感をみなぎらせている郷ひろみを滑稽だと、テレビで見ていて思うからだ。だんだん、森進一みたくなっていくなあ、と。郷ひろみファンのみなさま、ごめんなさい。
今日は高円寺でがさごそ買って、盛林堂経由で音羽館。まるでレールが敷かれているようなコースだ。広瀬くんと、元「赤レンガ」だった喫茶店でお茶。若夫婦がそのまま居抜きで入り、営業している。店名は、忘れてしまった。内装や調度もそのまま。プレオープンで、まだメニューが完全には揃ってないようだ。軽食も出るとのこと。
このところ、ユーチューブで、見られるかぎりの「前略おふくろ様」をパート2も含め、連続してみていて、ショーケンや海ちゃん(自分のことを「私(わらし)」と言う。わらしはさあ、という感じで)が乗り移ったようだ。梅宮辰夫が、めちゃくちゃカッコいいではないか。反対側の手で、胸の前を交叉させるかたちで、ときどき耳たぶを触る仕草をする。あれ、演出だろうか。ひどく色っぽいのですね。