昨日、ふらふらと高円寺。西部展。シングルを3、4枚と、ほか少し買う。ハン・ソロとチューバッカのフィギュアも買ってしまう。講談社漫画文庫の石森章太郎龍神沼』は、石森の初期ロマン作品を集めてよく出来ている。「トキワ荘」時代の仕事ならん。「少女クラブ」が中心。この頃の絵が、石森ではいちばん好きである。「あかんべえ天使」に登場するボロアパート「たおれ荘」のモデルは、おそらく「トキワ荘」。階段から調理室にかけての雰囲気がそっくり。
このあと荻窪へ移動。歩いて、「Title」へ。本好きの間でいま、話題沸騰のセレクト新刊書店。四面堂までは、井伏鱒二文学探訪で来たことがあるが、その先は初めて。けっこう商店がちゃんと営業している。通り過ぎたかと不安になる頃、その店は現れた。若い女性がちょうど店へ入るところ。店内では老夫婦が本を買い、奥のカフェスペースでお茶していた。二階はギャラリー。もとの店舗の古材を生かしながら、ウッディな本の空間を作り上げている。記念に、これは知らなかった谷川俊太郎の新刊詩集『あたしとあなた』(ナナロク社)を買う。斬新な造本装幀の設計は名久井直子。レジにいた辻山くんに、さっき西部展で買ったイブ・モンタンのシングル盤を開店記念にプレゼントし、少し話す。このあたり、書店の無風地帯で、人文書や文芸書(海外文学)がよく売れるとのこと。朝は手伝いの人が入るが、あとはだいたい、辻山くんがレジに常駐しているとのこと。イベントも積極的にしかけ、好調な船出のようだ。
このあと「モンガ堂」を表敬訪問するつもりだったが、電池が切れ、青梅街道を荻窪署のところで西荻方面へ折れていく。そうかアニメーション会館はここにあったのか。荻窪署の周辺に、かつて中島飛行場があった。このあたり閑静な高級住宅街なり。ヴィラ西荻の裏手、西荻図書館へも寄ってみる。入口壁に昔の西荻周辺の写真が展示してある。
携帯に原稿締め切りの催促(この日が締め切りだった)があり、どこへも寄らずに帰還。せっせと原稿を書く。夜はよっぱらって、「キャスト・アウェイ」を見る。二度目か。ほとんどトム・ハンクス出ずっぱりというより、ほとんど一人芝居の映画。最初腹が出ていた主人公が、4年続いた孤島生活で、究極の脱糖質ダイエットとなり、精悍な姿になる。これ、トム・ハンクスが、撮影を一年中断し、そのあいだに22キロ強、体重を減らしたとのこと。