okatake2016-02-20

ヨーグルトを食べるようになってから、風邪をひかなくなったなどと広言していたのが災いしたか、みごと寒さに捕まえられる。鼻水、くしゃみの応酬に体力を奪われながら、某所、某店の買取りに、くっついていく。守秘義務があるから、くわしく書けないのだが、古いお屋敷。怪人二十面相のアジトのようであった。作りつけ書棚には、もうここ30年ぐらいは誰も触っていないような、古びた専門書と原書。少しだけ箱詰めを手伝ったが、すぐ軍手が真黒になる。講談社の函入り乱歩全集が二冊あり、これが唯一、ぼくの視線が止まる本であった。
夜予定していた集りをキャンセル。体調と天候を考えてのことだ。西荻、盛林堂、音羽館で少し買う。店を出たところで原書房Hくんにばったり。「物豆奇」で作戦会議。しかし、喋ろうとすると咳こんで、うまく喋れない。気づくとぼーっとしている。こいつは早めに帰ろう。帰りの電車で、「音羽館」で買った『フイチン再見!』「4」「5」を読む。「フイチンさん」の作者、女性漫画家の上田としこの物語。あくまで村上もとかタッチになっている。
帰宅して沈没。深い海の底へ沈んで行く気分である。
音羽館」でもらった、タワレコの雑誌「イントキシケイト」最新号の表紙が、モノクロの、楽譜にくわえ煙草で向かう武満徹。額に入れたくなる写真だ。