本日、京橋テアトルで、アンジェリーナ・ジョリー2作目監督映画「不屈の男」試写を見るつもりで動き出したが、見られなかった。その顛末を。
昼前、神田古書会館「愛書会」で買えず、コミガレで買えず、田村店頭でようやく2冊拾って、半蔵門線三越前へ。じっくり正面から眺めるのはこれが初めてかもしれない日銀本店、そして震災後復興のモダン建築「常盤小」を外から見学。そのまま歩いて、もと中央公論新社のあった京橋一丁目(その対面に試写室がある)を目指して歩き始めたが、相当歩いて、方角を間違っていたことに気づく。引き返しても、もう試写にはまにあわない。それじゃあと飯田橋「ギンレイ」で、「ミッション・イン・ポッシブル」の最新作を見ようと地下鉄で移動。開始時間に間があったので、飯田橋「ブ」へ立ち寄ると、2階、200円函入りその他コーナーで、小島信夫『別れる理由』全3冊の揃いを見つける。ゴロリと、なにげなく、大過なく、普通に、尋常に、誰はばかることなく、転がっているのに、ぎょうてんする。もしや、ドッキリカメラかと、一瞬あたりを見渡すが、カメラを構えたユーセンくんがいるはずもなく、ありがたく3冊600円でいただく。
もし、道に迷わず、試写を無事見ていたら、おそらく入手がかなわなかっただろうと思う逸品であった。「ブ」で掘り出し、など期待していなかったので、映画2本を見損なったが、やっぱり神様はいるのだと思われた。
この荷物を、一時間強待って、ギンレイに持ち込むことははばかられ、こっちの方が、よほど「ミッション・イン・ポッシブル」だと、そのまま寄り道をせず帰宅する。娘の力を借りて、これをツィッターに写真をアップする。古本で買った、これぞという本だけ、アップしていこうと思う。つぶやきはしない。他人のつぶやきも看過する。やりたい放題で、この先も。
古書会館で、苔花堂さんにバッタリ。おお、と声をかけ、ちょっと言葉を交す。ぐうぜん、河出の『佐藤泰志 生の輝きを求めつづけた作家』を持っていたので、堀江敏幸さんとの対談を見せて、佐藤泰志熱が、まさに国分寺で店売りしていた頃の「苔花堂」から始まったのだと説明する。対談でもそのことを語っている。「地味に、地味に、消えずに(古本稼業を)やっています」と、いまは五本木さん(ぼくはどうしても川守田さん、と呼んでしまう)が言っていた。佐藤泰志ルネッサンスのこと、どうしても川守田さんと、一度しゃべっておきたかったので、よかった。