昨日、青春18の3回目を使って、御殿場線「山北」駅スタートとなる「大原山」へ登ってきた。山頂に牧場がある、珍しい丹沢山系の山。ピークは723m。これがきつかった。すれ違う人が逆から(谷峨駅)から来るのも当然。最後に気の遠くなる長い長い急な木段が続く。これで体が壊れてしまった。おまけに霰が降り出し、ピークをあきらめ、頂上付近で引き返す。途中は楽しかったのだが、苦しいだけの山行きになってしまった。この急坂のことを、どのガイドにも書いていない。20段登っては座り込んで息をつき、ということを何度繰り返したか。しかし、逆コースからは楽しそうに老女トリオが歩いてきたから、ぼくが情けないだけなのかもしれない。200~300m級の地面のおできみたいな、低山をこねくりまわしているのが合ってるみたい。
駅から町なかを歩き出し、途中で大原山登山口を地元民3人ぐらいに聞いたのだが、最後、犬を連れた奥さん(チェーホフみたい)が親切に近くまで同行してくれた。大原山に登るというと、「かなり大変ですよ。私も一度登ったきりだけど、もういいわ。でも丹沢湖と富士山が見えるのは最高。小学生が遠足で登るんだけど、こんなに苦しくつまらない思いをした遠足は初めてって、言ってますよ」と教えてくれた。ぼくの体力は小学生並みであった。
むしろ「山北」駅前正面の通りを挟んだ2つのモダン建築が素晴らしく、レトロバスに乗っての駅からまた駅へ戻ってくる30分のバス周遊が楽しかった。酒匂川を何度も交叉し、橋を渡りながら集落をくねくねとカーブ、また上下しながら走るバスは、超スローなジェットコースターみたいだ。駅前商店街も寂れたフォトジェニックな店舗がたくさん。御殿場線のいくつかの駅を降り、駅前だけ散策という手もあるな、と考える。車窓から見た下曽我駅周辺もよかった。年明けにもういっぺん、山なしで、御殿場線を攻めるか。頭のなかでは太田裕美「日暮し」が鳴っていた。
スマホでメールが送れるようになった。大躍進。「お父さんからメールが返ってくるなんて、新鮮だわ」と妻が娘に言う。「お父ちゃんがこんなに早く、スマホに慣れるとは、意外やったなあ」と娘。しかし、各種アプリは触らず、わからないことだらけ。