ユースホステル熱

国立「ビブリオ」で続いているシークレットイベント(といっても悪いことをしているわけではない)が無事終了。打ち上げも楽しく、これでようやく本年のイベントを終えた。やれやれ、だ。けっこう初顔も、来てくださって盛会だった。人が喜ぶ顔だけが頼りに、なんとかここまでこなしてきた。
昨日は、急にユースホステル熱にかられ、どこかへとにかく泊まろうと検索ののち、九十九里浜白子ユースに予約連絡を入れ(会員以外でも、泊まれるのだ)、泊まってきた。往きは外房線「大網」からバスに40分ほど揺られ、一泊して帰りは白子車庫から茂原駅へ。シーズンオフとあって、泊まり客はぼく一人であった(上越高田の映画館「世界館」でも一人)。ご主人亡きあと、一人でユースを守っておられる片岡麗子さんを独占し、大変親切に応対していただき、あれこれくわしく話をうかがう。ユースの最盛期、真髄と魅力、有用性について納得のいく話が聴けた。翌朝、自家製の野菜のサラダ、みそ汁のついた朝食をいただく。これがごはんお代わりしないで十分のボリュームで、昼過ぎても腹が減らなかった。
ユースを出て、朝の白子海岸を少し散策。波が強く、突堤にぶつかり白いしぶきを上げている。垂れ込めた雲の間から朝の光り。次々打ち寄せる波が、波頭を作る。タバコに火をつけると、煙が首にまとわりついて、後ろへ流れていく。泊まるだけの旅だったが、やっぱり来てよかったのだ。失うものなどもうなにもない、という気持ちになって、浜にしばらく突っ立っていた。画家、音楽家、詩人でないのが残念だ。
こういう朝もあるのか。浜辺づたいにしばらく足跡をつけて歩き、きれいな貝殻を一つ、お土産に拾う。
くわしくは、来週「オトパラ!」で話すつもり。荘司としお『サイクル野郎』も、ユースに半分くらいあり、夜、これを1〜8巻読破する。自転車で日本一周している主人公も、北海道では、ユースに泊まるしかなかった。
今回、2日分の「青春18」を使って往復したのだが、たぶん、一日のノルマには達していない。どこか、一発、遠出をして稼がないと。帰り、というのは今日のことだが、西千葉「鈴木書店」(古ツア氏も同日午後、訪れた由)、幕張「草古堂」へ寄って来る。さすがの名店だった。これで、なんとか「古通」の取材になったろうか。