「日本の名随筆 肴」所収の小林勇の「枝豆」という文章。昭和21年6月、露伴の家へ向かう途中、道で枝豆の束をぶらさげた婦人と出会う。枝豆は露伴の大好物。しかし、食べ物が容易に手に入らない時代。思わず小林は婦人に、どこで手に入れられたかを聞く。婦人は入手は困難だと答えた。しばらく間があって、婦人は黙って枝豆の束を半分に分け、小林に「差し上げます」と差し出した。枝豆を持って露伴邸へ行き、事情を話すと、露伴は「そいつは豪気だ。」と言った。
かなり乱暴に端折った引用なので、くわしくは原文にあたってください。枝豆が食べたくなる文章だ。