先週か先々週か、それも再放送かもしれない「こころ旅」で火野正平が、どういうケースでだったかは忘れたが、「男には一つぐらい体のどこかに痛みがあった方がいいんだ」(正確ではない)とロバート・B・パーカーが書いている、と言った。見ていて「ほう!」と声が出た。火野正平、ロバート・B・パーカーを読んでいるんだ。好感度アップだぞ。ぼくもかなり読んでいるはずだが、その文章がどの作品からの引用かはわからなかった。ネット検索しても(もともと正確な記憶ではないので)同じ。『初秋』っぽいなあ、とは思うのですが。
「ゲオ」に、テレビドラマ版『レディ・ジョーカー』3枚があったので借りてきて一気に見る。映画版は端折り過ぎで、予告編の連続を見ているようだったが、ドラマ版は7回分あり、さすがにはるかに原作に沿って描き込まれている。上川隆也の合田もなかなかいい。と、ここで映画版の合田は、誰がやってたんだっけと、まったく思い出せないのには驚いた(徳重聡)。映画には加納検事の存在も割愛されていた。犯人グループのリーダー半田は、ドラマ版は泉谷しげる。これもこちらの方が「感じがある」。映画の渡哲也はかっこよすぎた。ただし、粗雑で暴れ者以外の役をやると、泉谷しげる、演技にボロが出る。
夏葉社から復刊された、関口良雄『昔日の客』が増刷、増刷をかさね、ついに一万部に達したという。西荻ブックマークで、ご子息の直人さんと、『昔日の客』復刊を、とトークイベントをしたのが、あれは何年前だったっけ。こんなふうになるとは、正直、思いもよらなかった。「本物」の力だろう。