今日は一日家にいて、あれこれ。午前中、サンデー10本を送付。集中力つづかず、だんだん所要時間が長くなってきた。「イチオシ」は野上孝子『山崎豊子先生の素顔』。これほど個人に捧げ尽くした人生というのが、あっていいのか。いや他人がとやかく言う必要はない。山崎の力技の全業は、この人あってのものだ。印税の、たとえば2パーセントぐらい、秘書だった野上に与えられておかしくない。それで、これからの人生を生きてほしい。
夕方、「ロストワールド ジェラシックパーク」をチラチラ見ながら、父カレーを作る。ちょっとショウガをすって入れてみた。蜂蜜も大さじ一杯ぐらい。
蟲文庫さんから、原民喜『幼年画』サウダージブックスが送られてきた。なるほど、こういう作り方の本もあるのか。連作短編「幼年画」をテキストで読むのは、ほかにいくらも手がある。しかし、これだけ独立させて、瀟酒な一冊の器に盛ったところがいい。こういう体裁で読むのに適した作品だからだ。重くてはいけない。夏の終わり、河原へ出て、夕風に吹かれながら読みたい。どこか、この本を読むためだけに、旅がしたくなる。蟲文庫田中さんは解説を担当。同封された手紙に、解説を書く緊張が語られている。しかし、チカラのこもった仕事となった。
今日、初めて地下の仕事部屋に冷房を入れたが、昼食後ベッドで二時間以上眠ってしまう。寝過ぎだ。水筒に氷をたっぷり、麦茶、檸檬を入れ、ぐんぐん飲む。冷房は切って、がんがん汗をかく。宮本常一のことを思う。