ああ、そうですか。本日より8月。えらい暑さでした。出遅れて高円寺「好書会」へ。200円均一棚が異常に繁殖。もはや古本デフレがとめどもなくなっている。20冊は買ったか。まだまだ買えそうだったが、きりがないので止めたくらい。杉浦明平『明平、歌と人に逢う』は旧制高校から青春時代の回想記で、「古本」という文章が2つ、「文圃堂の人々」という文章が6つあり、これは買っておかないと。精算してもらうと、袋がずしりと重たい。近くの中華「福龍門」で昼食(マーボナス定食)。つい生ビールを注文してしまう。しかし、この旨さはどうだ。
阿佐ケ谷へ移動。久々に「コンコ堂」へ。充実した均一はさすが、と思いながら、酷暑で表にいられない。店内の音楽棚から『風をつれて地球を歩け』を1545円で買う。これは珍しい。吉田拓郎安井かずみ対談ほか、友部正人の詩、中川五郎高田渡、安田南ほかの文章と貴重なフォーク文献。表紙は矢吹申彦。勘定するとき、アマノくんに「こういうフォーク関係の本って、たとえば即売会などでも、ほんと、見ないんだよなあ」と言うと、「そうなんですよ。こういう音楽関係の本って、いまなかなか出てこないんです」。わりと、気をつけて見ているつもりだが、本当にそうなのだ。アマノくん、ありがとう。
いつもそうするように、「コンコ堂」で古ツアさんと待ち合わせ、駅まで戻り、いつもの喫茶「ニューシャドー」(余計なことをしない、落ち着ける店。BGMはなぜかハワイアン)で夏の古本旅の相談と情報交換(と言っても、ほとんど一方的にぼくが古ツアさんのチエを拝借するだけなのだが)。いつもながら、エリア、駅名を出すだけで、すらすら店名が出てくるのがすごい古ツアさん。ついこないだぼくが訪れたばかりの膳所の古本屋「クロックワーク」なんて、ぼくは店名を失念したのに、説明するとすぐ「ああ、じゃあクロックワークですね」ときた。しかも行ったことがないという。劣化する古本頭脳と、日々更新される古本頭脳の違いだろう。まあ、暑さのせい、ということにしておいてください。
「盛林堂」へも立ち寄り、岡崎棚の補充と、若旦那、古本友のSくんと四方山話。ここでまた、均一でがさごそ買う。いったいどうするつもりなのか。「en-taxi」執筆時に2500円で買った石田波郷『江東歳時記』が、100円棚にあったのには腰が抜けそうになった。もちろん買う。