深夜、CS日本映画専門チャンネルで、山田太一男たちの旅路」第一部2回「路面電車」を見ていて(もう4、5回目か)、今日はじめて、吉岡(鶴田浩二)がいつも都電荒川線で乗り降りする停留所が「巣鴨新田」だとわかる。早稲田行きに乗り、巣鴨新田で降り、行ってしまう電車と反対方向に、線路を横断するかたちで歩く。路地を抜け、ときに途中で買い物をして、木造モルタルの二階建てアパートの自室に帰るのだ。1976年放映のドラマだが、現在どうなっているか、偵察に行こうかと思う。
宮本常一関連のものを、メモを取りながら読む。これはべつに仕事ではない。周防大島へ行きたくなる。河出「道の手帖」の「宮本常一 旅する民俗学者」で、佐野眞一谷川健一が対談しているが、谷川の発言がすぐ小見出しに使えそうなほど冴えている。講談社学術文庫河出文庫が、たくさん宮本の著作を文庫化している。図書館で借りてきた『私の日本地図 武蔵野・青梅』を読むと、宮本は国分寺からずっと南へ下った、現・府中市新町に家を買って住んでいた。引っ越すとき、娘が、こんな淋しいところ、と泣いたという。まだ、東八道路もなかったのではないか。写真がたくさん収録されているが、田園と雑木林が広がる「村」だ。
鎌倉街道という小平から国分寺市に南北に連なる細い道があるが、前からフシギに思っていたが、これはやっぱり、神奈川県の鎌倉に通じる道だったんだ。立川には「江の島道」という名の通りもあるのだ。