昨日、夜のサントリーホール「通崎睦美」さんコンサートに照準あわせ動き出す。思いついて世田谷文学館へ、「植草甚一」展を見にいく。空いていてゆっくり見られた。生原稿、スクラップブック、映画試写メモ等、散逸したとぼくは思っていた私物が大量に展示。興奮する。膨大な書き文字のメモ、日記、手紙、あるいはジャズの勉強のため作った資料やリスト。生活を楽しむ術を知っていた。たちまち伝染し、むしょうに神保町へ行って、なにか買いたくなる。「古書モール」で、荒川洋治『チューリップ時代』再版のピンク表紙(持ってたんだがなあ)ほか、4、5冊買い、「スーパー源氏」で、日月堂に引き続き、射的の的で作られた人形を二体、マリリンモンローの絵はがき二種を買う。荷物はパンパン。
夜「サントリーホール」。客席は満席。早々とチケットが売り切れた由。演奏が終わるたびのお客さんの拍手が、おざなりではなく、熱と心のこもったもので、いちいち長く続いた。いいコンサートだった。アンコールでも再び演奏した「エストレリータ」に、深い感銘を受ける。心の渚に打ち寄せるような演奏であった。井上道義さんがアンコールで登場、伴奏のピアノを弾くというサプライズもあり。
終わって目の前のイタリアンで打ち上げ。装幀家・間村さんとひさしぶりに話す。初対面の人多く、「装幀家」という仕事がよくわからないらしく、説明に難儀していた。「いやあ、間村さんは売れっ子で、いま依頼しても3年待ち」とボクが言うと「アホか、やめてやあ。いつでもやりまっせ」と間村さん。
白ワインを飲み過ぎ、ヘロヘロで地下鉄と中央線を乗り継ぎ、最寄り駅からタクシー。中央線、なぜか空いていて、座れてよかった。
帰宅したら、コンサート会場でお見かけしたばかりの川本三郎さんから、新刊『映画の戦後』七つ森書院が。
車谷長吉さん死去。著者インタビューを新潮社でしたことあり。絶版文庫が好きと聞いたので、まだたくさん持っている『ニッポン文庫大全』をお持ちしたら、たいそう喜んでらした。
https://youtu.be/1EtaOEjZHV0