昨日、なんとか「サン毎」原稿を送付。いちおしは、葉室麟『春雷』。河出文庫古川緑波『苦笑風呂』には驚いた。ロッパを読んで喜ぶ人がそんなにいると思えないから、応援したい。ちくま文庫アンナ・カヴァン『氷』にも驚いた。出版文化の水準を底で支えているのは、じつは文庫ではないか。
桂米朝師が逝去された。その日が遠くないと、この数年思ってきたが、訃報を聞くとやっぱりショックだ。いろんな落語家を聞いてきたが、この人一人、と言われれば、ぼくの場合は、米朝さんということになったろう。「ARE」に香川登志緒論を書いて、米朝師に送ったところ、葉書の礼状をいただいた。そこで、香川が年齢を偽っていたことを、香川から病床で聞かされるまで知らなかったと書かれていた。数年前、「サンデー毎日」の著者インタビューで、大阪まで出向き、朝日放送のスタジオでお目にかかったのが最初で最後。お目にかかれて、本当によかったと思う。
志ん生のこと、調べ始める。「なめくじ長屋」があったのは、本所業平。いま、スカイツリーのある業平橋から南へ南へ、清澄通りを越えたあたりではないか。このあたり、江戸時代に埋め立てられた湿地帯で、なめくじの巣であった。昔の深川もそうだが、多く、そういう場所に貧民窟ができあがった。
月末までに大きな締め切り幾つか。気をひきしめて前に進もう。