また未明に眼ざめ、ベッドで関川夏央『「坂の上の雲」と日本人』を読む。読了。
昨日は、いつもの週より早くに「サン毎」本選び。編集部の本読みTさんから「あの、ほら『あじゃぱあ』書いた人、ハードボイルドっぽい作風でさあ」と、作家名を尋ねられるが、思い出せない。つまり矢作俊彦の名を、大の男二人が、うんうんうなりながら模索している。
竹橋から渋谷へ、とこの日珍しいパターンで動いたのは、「ユーロスペース」で試写があったから。試写のお招きを、ときどき受けるが、気づいたら終わってたり、うまく日が合わないことが多い。この日、通常の試写は終わり、追加で、というのだから行かねば。しかし、東急本店まで来て、ウロウロするが、記憶にある「ユーロスペース」が見当たらない。ぼくはガラケーで、しかも検索ができない。困って、北條くんに電話して聞くと、「ユーロスペースは何度か場所を変わっていますから、調べて折り返し電話します」ということで、どうにかたどりつく。北條くん、ありがとう。行くと、円山町のホテル街のまさにその中にあった。映画はアレクセイ・ゲルマンの遺作となった「神々のたそがれ」。モノクロ、3時間近い作品で、地球外惑星の都市アルカナルが舞台。そこは、地球より800年ほど発展が遅れ、中世のヨーロッパ都市そのまま。知識人はみな首を吊られている陰惨な都市。そこで貴族ドン・ルマータと名乗る(じつは、地球から送り込まれた学者の一人)がいて……という話。引きのカメラが少なく、狭苦しい城内の通路、部屋におびただしい物、人がいて、それがカメラの前で交錯、混雑する。なぜか、前を通る者の多くがカメラ目線で、カメラを睨みつけたりする。冒険も恋もない、すぐ唾を吐き、手鼻をかみ、大小便はそこいらでし放題。犬の死体がぶら下がっていたり、陰惨な映像とストーリーに気が滅入るが、なぜか画面に引きつけられていく。途中、退屈しなかったかと言われればしたし、より多くの人に薦められる映画でもないが、圧倒的な映像力が満ち満ちていることは確か。北條くんは好みだと思う。
3月中旬より、渋谷ユーロスペースほかで全国ロードショーが始まる。http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=635
明日解禁で、ちょっと驚く出版物の告知ができます。ご期待ください。