先日、盛林堂へ寄った際、均一で買ったのが朝日新聞社社会部編『並木道』鱒書房。昭和31年。これがハードカバーの裸本だったのだが、表紙のタイトルも絵もカラー印刷されている。この上にカバーがあったのか、函があったのか、日本の古本屋や国会図書館のサイトを調べたがわからない。国会図書館のサイトは、かなり詳しい書肆情報が示されているが、カバーや函の有無について記載されていないようだ。
朝日新聞東京版に連載された同タイトルの記事をまとめたもの。東京を中心に全国の並木道について、街路樹の解説などくわしく伝える。昭和30年代の東京の町の記録にもなっている。新宿区市ヶ谷山伏町は、江戸時代「杉並」と呼ばれたという。立派な杉並木があった由。現在の杉並区も同じ理由でついた地名。しかし、杉は都会に育つにはデリケートな木で、鉄道が走ると煤煙で枯れてしまったというのだ。というような話。
国立「ビブリオ」で打ち合わせ。3月27日19時半からの「第一回 中川フォーク・ジャンボリー」手書きチラシを渡す。チラシが出来上がれば、知り合いの店においてもらおう。本日、風強し。突風が前後左右から吹き荒れ、自転車漕ぐのが容易でない。しかし、春の気配もあり。
やること多く、まずどうすべきかをちゃんと計画してことをすすめるべし。メールや電話も舞い込み、対応に追われる。
早朝、尿意で目が覚め、しばらく寝床で金子国義自伝『美貌帖』(知らない話ばかりなり)を読んで、また眠ったら、案の定ヘンテコな夢を見てしまう。川浪春香さんの新刊『今しかおへん 篆刻の家「鮟鱇屈」』編集工房ノアも読み始める。明治の京都、実在した篆刻師の話なり。珍しい題材。近代化していく京都のうつろいも描かれる。非常に読みやすい。川浪さんには、もっとどしどし書いていただきたい。
「古書通信」2月号届く。ぼくの連載は「竜ヶ崎モール」。21世紀古書店の肖像は「古書 バンゴブックス」(谷中に5年ほど前にオープン)。