寒い朝。昨日は西部古書会館均一祭を覗き、4冊。状態の悪い、自分の本『雑談王』晶文社が買えたのが収穫。手持ちがほとんどないのだ。
午後は、毎年行っているjpic古本屋ツアーのガイド。今年は西荻。改札で待ち合わせ、10名の参加者を連れて、にわとり、盛林堂、音羽館と巡る。最後「ベコ・カフェ」で買った本の発表、となる。明日から開かれるjpic講座のため、熊本や博多から来ている方も女性が8名。男性2名のうち、お一人とは、駅前「ドトール」で、今日回る古本屋巡りのレジュメを作っていると、声をかけられた。角田光代さんの『さがしもの』新潮文庫を持ってらして、「これ、おもしろいですね。解説は岡崎さん」と言われ驚く。ええ、ぼく、角田さんの文庫の解説、書いていたのか! 見るとほんとだ。一昨年、挿絵展の図録を作ったとき、著作一覧のページに、文庫解説の仕事もデータとして残したのだが、そのなかに入っていたかなあ。魚雷くんのちくま文庫『借家と古本』解説も入れ忘れていた。自分の仕事、ちゃんと掌握できているかどうか不安になる。
古本屋ツアーはなごやかに、滞りなく進む。途中、「それいゆ」や、西荻デパートなど、解説しながら歩く。個人営業の店がみながんばっている。地方からの参加者は「東京はいいですねえ。うらやましい」と言われる。喫茶店が健在なのもそうだ。
サン毎で選んだ本が届く。フェリックス・フランシス『強襲』は、あのディック・フランシスの次男。父親から引き継いで「競馬シリーズ」を書いた。おどろき。父親の晩年は協力執筆者でもあった。少し読んでみたが、あのフランシスの筆法そのものだ。次男の前には、夫人が執筆に協力していたというし(実質、夫人が書いていた、なんて噂もあった)、こうなると作家ディック・フランシスの存在感はどこにありや、と思ってしまう。発行はイースト・プレスだが、見た目は「競馬シリーズ」を一手に出していた早川書房の本みたい。デザインのフォーマットが同じだもの。それに漢字2字のタイトル。