このところ、ずっと6時起きのクセがついた。グループで旅行するその日、待ち合わせ場所と時間がわからず、とりあえず乗った電車が、やっぱりこれは違うと気づき、逆方向へ、最終目的地はわかっているから、どこかで追いつくか(昼食時間とか)、旅行をあきらめるか、などと車内で思案する夢を見た。交通関係の夢はひんぱんに見る。ある種のストレスになっているのか。
探しているものが見つからず、途方に暮れる、とこれは夢ではなく現実。どうしよう。
さるところから講演の依頼。久々に仕事で地方へ行ける。11月のスケジュールが早々と埋まる。ちょっと楽しみ。それまでがんばろう。
共同通信からときどき、書評の仕事をもらうが、これが地方紙に配信されるという仕組み。以前書いた『バンヴァードの阿房宮』(おもしろい本だった)書評が、各紙に配信され、そのコピーが送られてきたのがちょっと前のこと。十五紙を眺めていると、知らない地方紙が多い。組み方やレイアウト、見出しに、各紙の個性があり、おもしろい。ちょっと挙げておこうか。下野、岐阜、秋田さきがけ、熊本日日、愛媛、沖縄タイムス、静岡、新潟日報、山陽、山形、神戸、佐賀、琉球、上毛、徳島、といった具合。もちろん多く配信された方がいいので、それがわが仕事の評価になる。地方では地方紙との結びつきが強いから、熱心に読まれているかもしれない。我が名をより広く知ってもらえる機会にもなる、というわけだ。
我々の仕事も一種の人気商売。移ろい易く、次々と威勢のいい新顔が出てくるなか、どこまでしがみついて本領を発揮できるか。しがみつく先は蜘蛛の糸のごとく細い。神様、どうぞご助力を、と願う日もある。
新潮の編集者・校條剛『ザ・流行作家』を読み始める。笹沢左保川上宗薫と、いまではありえない原稿執筆マシーン二人を描く。めちゃくちゃ面白い。