夏葉社から、『本屋会議』が出た。話題になった『本屋図鑑』の第二弾、といってもいいだろう。
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昔は町に小さな本屋があって、とノスタルジーだけで語るのではなく(そういう部分も大事)、現状をよく踏まえ、これから本屋はどうなっていくのかを、地方でがんばっている書店主などの話を聞きながら、島田、空犬、笈入各氏が中心に執筆。昔は本がバンバン売れて、にぎわって、書店経営はもっと楽だったと簡単に言いがちだが、そんなことはない。昔も、やっぱり大変だったんだ。というような記述にハッとする。ぼくなどもともすると、そう言いがちだからである。
メガストア化が進み、個人商店が消滅していくのは書店だけではない、というのもその通り。これは難しい問題だ。
しかし、島田くんの有言実行ぶりには感心する。出すと言えば出す。
家族で本日、川越へ。5、6年ぶりか。いや、もっとか。以前、家族で元旦に通っていた頃も、人出はあったが、いまやそんなものではない。大変な混雑ぶりに恐れをなす。新しい店が次々にできて、どこも客がとりかこむ。行列、行列。こんなに成功した郊外の観光地も珍しいのではないか。
帰り、「ブ」へ寄って、モンクがエリントンを弾いたCDと、あと一冊買う。その一冊、帰りに電車のなかで、開いたら、湿気を吸って、本文部分が反っている。隣に座る娘に「ああ、失敗した」と説明すると、「風呂用にしぃ!」と言う。風呂で読む用にしろ、と言ってるわけだ。「そうやなあ」とぼく。他人には通じない、親子で変な会話をしている。