昨日は雨で家に閉じ込められた。「ビッグイシュー」は、出たばかりの岩波文庫ケストナー『人生処方詩集』を。ちくま文庫で長らく品切中だったが、うまいところに岩波は目をつけた。解説は富士川英郎。「サン毎」10本書評は、深夜なんとか着地したとき、日付が変わっていた。
今朝は早起きして、芸術新聞社「人生散歩術」で、いよいよ田村隆一の第一回目を書く。五度の結婚、生まれ育った大塚のこと。そう書くと、ずっとパソコンに向って四苦八苦しているようだが、そんなことはない。オリのなかの熊のように家のなかをウロウロしながら、ぎりぎりまで追い詰めて、ようやく着手、という感じか。よく、これで毎回、ナントカなっているものだと思う。書くことは、そんなに苦痛ではなく、書き出すと早い。着手するまでが、なかなか大変なのだ。部屋はもう台風一過のごとく、乱雑をきわめている。「2人古本市」の準備はできるのか。
細野晴臣『とまっていた時計がまたうごきはじめた』は、『文福茶釜』に続く、鈴木惣一郎を聞き手にした語り本。おもしろかった。細野さん、日本堤にある喫茶「ダンテ」で、よくコーヒーを飲む由。検索したら、コーヒーの種類が多く、一杯700円ぐらい取られる。地図で確認したら、そうか南千住から、山谷の町をうろついたことがあるが、そこからすぐだ。このあたり、古い純喫茶がぽつぽつ残っている。ユーセンくん、豆ちゃんコンビと、南千住駅前の、映画のセットみたいな喫茶店へ入ったことを思い出した。客も仕込みの脇役俳優みたいで、いい感じだった。