okatake2014-11-22

思案していたが、けっきょく少し遅れて高円寺へ。西部会館の古書展。おお、買えるぞ。ごちゃごちゃビニール袋二つで3800円。ぼくにとって最高のストレス解消だ。コクテイルのライブでプレゼント用、にも数冊。小学三年生フロク漫画、赤塚不二夫『ママ なにしてるの』は「かぴばら」さんの出品。昭和37年の作。こんなの描いてたんだなあ。
盛林堂へ寄って、2人古本市のチラシをA4ぐらいに拡大したのを渡され、「ドトール」で2枚、色を塗る。これがポスターにもなる。「ド」では、ご老人二人が熱心に古本の話をされていた。盛林堂へ戻って、その話をすると「まだ、いらっしゃいましたか!」と。盛林堂のお客さんだが、たぶん3時間は、「ド」で話していることになる。古本話は若さの秘訣なり。
「古書通信」の目録で、さんざんネタにした昭和30年「夏のとも」を1000円で出したら、3名も注文がきた。一点もの、だから強いのか。しかし、これは売るのが惜しくなってきた。
『田端抄』の矢部登さんから『追悼松本八郎』という小冊子をいただく。すぐ読む。中尾務「さいなら」、矢部登「松本さんの顎髭」、「舢板 総目次」。知らなかった松本さんの晩年を知る。松本さんは武蔵美出身だが、ほんとうは絵描きになりたかった由。晩年、油絵の絵筆をとっていたという。矢部さんの文章で、東京でスムースの会を開いたとき、松本さんが歯痛で出席できず、かわりに矢部さんがいらしたこと、そうだったのかと知る。ぼくと山本の古本漫才めいた話にも言及されていて「そんな一回り以上も歳のはなれたスムースの若い人たちとのやりとりを、松本さんはいつもたのしそうにはなされた。そのときの笑顔が甦る」という段になって、読んでいた目がうるんだ。矢部さんにいいものを送っていただいた。
じつはさっき気づいたのだが、「昨日は、長く気の張る原稿を終えて、やや茫然。夜中、酔っぱらいながら、ネットで「遥かなる山の呼び声」、「タンポポ」と、もう何度も見ているから途中飛ばしながら、半分くらいを見てしまう」と書いたのが11月10日の当ブログ。そのときはまだ知らなかったが、この日、健さんが死んだのだった。村上春樹の『東京奇譚集』みたい。