天気予報で、ちゃんと雨になると言わなかったのか、昨日は冷たい雨になって、傘を持たない人がけっこういて濡れるにまかせて歩いていた神保町。ぼくは、家を出て、細かい雨に気づき、折畳みを持参していて助かった。しかし折畳み傘では防ぎきれないほど、雨は途中から激しくなってくる。
古本屋街も雨で均一を引っ込めたり、カバーをかけたりで、歩いていてもつまらない。サン毎で本えらび。ふたたび神保町。芸術新聞社のIさん、坂崎重盛さんと「浅野屋」で相撲を見ながら飲む。カキフライがおいしい。お二人は昨日もここできこしめしていたらしい。おカミさんの対応がVIP並み。坂崎さん、相撲を見終わったら、行きつけのイタリアン「マキアヴェリの食卓」へ行きたそうで、そちらへ移動。ワインを飲む。Iさんとはジャズの話。ぼくたちの頃はキース・ジャレットの「ケルンコンサート」が流行っていて、と言うと、「私はあれはダメでしたねえ」とIさん。黒っぽい音がお好みのようだ。ジャズ喫茶の話もする。
締めは神保町の文壇バー「燭台」へ。ぼくは二度目。ピンクフロイドのLPがカウンターにあったのを覚えていて、この日もあった。いつのまにかカウンターは満席。けっきょく、この夜は出発から5時間を超える飲み会になってしまった。しかし楽しい時間で、気持ちよく酔った。
電車のなかでは、中公文庫「日本の詩歌 宮沢賢治」を読む。好きな詩「カーバイト倉庫」が、ぼくの知っているバージョンと違うことにきづく。ぼくの知ってる方がいい。中公文庫掲載のは、ちょっと説明的になっている気がする。そうか、これは釜石線岩根橋」駅前の光景なのか。今年のコクテイルライブで読むのに、宮沢賢治から一作、と思っている。「告別」か「稲作挿話」か。
メールで、『読書の腕前』(光文社知恵の森文庫)が3刷になったことを知る。ぼくの本としては、異例のスピードで増刷を重ねている。これで年を越せそうだ。