無事、「みちくさ市」を終えて帰ってきた。荷物が多いこともあって、ひどく疲労。これだけ消耗が激しいと、以後の出店は難しいかもしれない。何かやり方を考えなくてはならない。手ぶらに近い出店ができるやり方とか。バカバカしいほど移動に負担をかける副都心線を避ける、とか。
天気もよく、「手作り市」の流れもあって、人出があった。しかし、本はあまり売れないなあ。最初は調子よく、セールストークをがんがんやったが、話は聞くが、本は買わない人が多い。この空振りがつらい。午後は黙り込む時間が多い。はけたのは全体の4割ぐらいか。残ったのは一箱分だけ箱詰めして、広島「古本交差点」補充用に宅急便で送る。
それでも、今回、読者の方々も大勢見えられ、挨拶し、サインをさせてもらった。知ってる顔もたくさん。ことばを交す。古本少年・ケンタロウくんは家族で登場。下駄を履いていた。講談社少年倶楽部文庫を収集しているとかで、編集長・加藤謙一の回想『少年倶楽部時代』をすすめたら、買ってくれた。ぼくの父親の世代が買うような本だが。そのほか、触る本が、古い本ばかり。ぼくが古書展などで、眼をつけるような本だ。これで小学六年生というから、恐れ入るとともに、ちょっと心配になる。家族揃って北原尚彦さんの大ファンだそう。ニアミスなどで、まだちゃんとお目にかかったことがない、という。北原さん、よろしくお願いします。
今回はスタッフとして参加していた「ハニカミ王子」くんに、カンタンには売れないだろう阿部恭久詩集『生きるよろこび』を進呈する。ぼくの本を熟読してくれている彼なら、この詩集を喜んでくれるに違いない。じじつ、ハニカミながら喜んでくれた。
千駄木ストリート「一箱古本市」で、ぼくが岡崎武志賞を進呈した「ほくろ堂」(?)さんも来てくれた。口元に悩殺のほくろ。こんなにきれいなほくろのついた女性は見たことがない。木暮三千代より清潔。「バー『ほくろ』を開いてくださいよ。毎晩うかがいますから」と言ったら笑っていた。
「オトパラ!」のリスナーが2名。ありがたい。どちらも女性であった。少しおまけする。
年輩のぼくの読者で、『読書の腕前』に書いた、ぼくのトークの鉄板ネタ、宮島の「古本農場」へ行った、という方が見えられた。興奮する。「どうでした?」と聞くと「もちろん、ただの農場でした」と。こういうことがあるから、やっぱり出店しないとダメなんだなあ。
前回と同じく隣りに出店した男性が、12月11日に東横線「白楽」で、小さな古本屋を開業するという。店名が「Tweed Books」(神奈川区六角橋1−7−22」。古ツアくんはオープンの日に駆けつけるだろう。なんでも会社も辞め、神奈川の古書組合にも入ったというから本格的な出店だ。モード雑誌から飛び出たような、めちゃくちゃオシャレな男性なので、オシャレな店になるだろう。応援したい。