「古書通信」連載「昨日も今日も古本さんぽ」が、次回で連載50回を迎える。どこへ行こうか。しかし、50回記念でオキナワへ、とはいかない。近場で今日中に取材を済まそう、とあれこれ考えて、井の頭線「東松原」の「瀧堂」へ行って来た。おお、ここは優良店。買える本があちこち目につく。表と中で、6、7冊は買ったか。これでなんとか原稿は書けそう。途中下車が楽しみな店だ。駅から近いし。
もう一つ、古ツアブログで知った、世田谷線「若林」へ移転してきた「十二月文庫」へも行ってみたが、こちらは見つけられなかった。ううむ。それでも久しぶりに世田谷線に乗れて、楽しかった。明大前ホームで、急行を待つあいだ、「焼きドーナツ」5個入りを買う。これは、ちくま文庫『なんたってドーナツ』の影響なり。
国立「ブ」108円文庫棚で、山田稔『幸福へのパスポート』講談社文庫をひょいと見つける。いや、見ないですよ、これは。そう言えば、昨日、「みちくさ」で塩山御大と山田稔さんの話をしていたばかりだ。「コミガレで三冊も見つけて。神保町では、あの人、なんだか評価低いんですよね」と言う。そうかもしれない。塩山さん、一緒に貸し棚で出している西荻・盛林堂で、ぼくより補充はおぼつかないのに、先月、ぼくより一万四千円ぐらいたくさん売っている。「すごいですねえ」と言うと、「つん堂の野郎は、もっと凄かったんですぜ」と言うではないか。聞くとぼくの倍だ。どうすれば、そんなに売れるのか、ぼくにはわからない。塩山さんと金がらみで古本の話をすると、具体的でじつに楽しく勉強になる。
「古本おみくじ」も、まだ今のうちはウケてるが、新機軸を出さないと。「当たり」札をつけるか。
今年の回顧、みたいな原稿注文がぽつぽつ入ってきた。
そうそう、昨日の「みちくさ」に糸織ちゃんが来ていてひさびさに喋る。なんでも、NHKで神保町ロケをしている番組で、ぼくの『読書の腕前』を読んで神保町へ来ました、という若い女性が映っていた、と教えてくれた。うれしいじゃないか。栞会で某年会やろうぜ、と盛りあがる。もうそんな年の瀬がじわじわと押し迫ってまいりました。さあ、仕事、仕事。