いろいろなことがバタバタで、ささいなことでも気分がささくれ立つ。もう、ダメかもしれぬなあ、などと何度も嘆息する。
知人の突然の訃報も影響しているかもしれない。
ちくま文庫『万国奇人博覧館』がなぐさめに。驚異の「真似出来ない」生きかたをした奇人カタログ。竹馬でエッフェル塔に登った男が懲りずに、竹馬でモスクワとパリを踏破。あるいは、女好きが嵩じて、庭を女体そっくりに作ってしまった貴族など、馬鹿馬鹿しいのオンパレード。
そんな人たちに比べたら、つまらない人生を平凡に生きる自分の悩みなど、屁でもない、と思えてくるからフシギ。
本に手が伸びるあいだは、何があってもだいじょうぶだ。
多田富雄『春楡の木陰で』集英社文庫をメモを取りながら丁寧に読む。「百舌啼けば」に、根津愛染町にあった古本屋「あいぞめ書店」の話が出てくる。一時代前までの小林秀雄がもたらした強い影響についても、確認。