来る7月4日より10日間、国立の民家ギャラリー「ビブリオ」で、「うちわ市」が開かれます。さまざまな表現者が、白面のうちわに、おのおの自由に絵を描いて展示販売するという企画です。ぼくも出ます。くわしくは、以下を。
http://d.hatena.ne.jp/banka-an/20140527/p1
参加するうらたじゅんさんは、ぜったい欲得を離れて、克明に、ステキで丁寧な絵を描くに決っている。本当に絵が好きな人だからなあ。欲得で生きるぼくは、昔見たテレビ番組の場面を描くつもり。
息絶え絶えと、「サン毎」10本書評を送付。「いちおし」は宮田珠己『いい感じの石ころを拾いに』河出。これを読んでいると、いますぐ、河原か海岸に駆けつけ、石ころ拾いをしたくなる。逃避願望か。こういう古本の本を作りたいですねえ。買ってきた本を、カラー写真で並べて、古本の目のつけどころを語る。
夕方、かつて勤めていた高校の国語科同僚の先生が急逝した、と電話連絡がある。おどろく。仲のいいアニキ分として慕っていた先生で、うぬぼれでなかったら、その先生もぼくのことを買ってくれていたと思う。同人誌に書いた、ディック・フランシス論をいち早く褒めてくれたのもこの先生だった。拓郎のコンサートへも一緒に行ったし、よく学校がはねてから飲みに行った。文学から映画まで、じつにいろんな話をしたものだ。二人ともベロベロになって帰れなくなり、学校に泊まったことも何度かある。そのまま翌朝、授業をするため教室へ出かけたのである。いまなら問題になるでしょうねえ。とにかく文学青年をそのまま教師にしたような先生で、現代国語以外は教えなかった。公立の国語教師で、そういうわがままは許されないはずだが、その先生はそういう人だと認められていた。魅力的な人で、生徒にもとても人気があった。まだ60に手が届かない若さで逝ってしまった。会って、いろんな話をしたかった。
夜、ようやく夏葉社から出る、庄野潤三親子小説集『親子の時間』の解説を書き始める。とりあえず4枚ほど、一気に書く。15枚は書きたいが、島田くん、許してくれるかな。