15日 飯田橋「ギンレイ」で「ジンジャーの朝」を。いきなり原子爆弾投下、きのこ雲、広島が映る。1945年、同じ年、イギリスの産院で、二つ隣り合わせのベッドでともに陣痛に耐える若い母親が。1962年、同じ病院で生まれた娘二人は仲良しのティーンエージャーに。ジンジャーと呼ばれる娘(本当の名前は、なぜかアフリカ)は、キューバ危機の報道で、核の恐怖に脅えている。そして……。見どころの多い映画。ジンジャー役のエル・ファニングがとても魅力的。不思議な伯父さんが登場。
「サンデー」で本選び、そのあと毎日のS記者の取材を受ける。京都時代のこと。写真を撮られ、タクシーで新宿へ移動。新宿プリンスホテル地下の喫茶で取材の続き。この喫茶、広くて、客が少なくて静かで、取材にはとてもいい。「いっつもここ、使うんですわ」とS記者。じゅうぶん話をして、歌舞伎町を抜け、センター街へ。「三日月」という狭い居酒屋で飲む。田中小実昌が常連だった店。えらく人気のある店で、キャパは10名ほどなので、次々訪れる客を「すいません」と店主が断っている。S記者も絶讃の店なり。鰹、旨し。名物のオムレツ、とてもシンプルながら、なぜか旨い。いいタマゴを使っているのだろうか。袖刷り合った初めてのお客さんとも会話がはずみ、ちょっと飲み過ぎ。
車中では梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』を読み継ぐ。なんと19世紀末、トルコに留学した村田という若き考古学者の物語。『海うそ』にも通じる設定と味わい。ううむ、とうなりながら読む。