昨日は風が強く、吹き上がられた風で吹き飛ばされそうになる。
午後、水中書店へたまった新刊書を処分に。値付けのあいだ、均一をがさごそ。ヒモを緩めれば10冊ぐらい買ってしまいそうなので、ヒモを締めて自重。それでも5冊。さそうあきら『ミュジコフィリア』の「4」があった。あとは「5」だけ。野呂邦暢『一滴の夏』文藝春秋1976年初版・帯が100円で出ているのに驚嘆。ちょうど集中して野呂の随筆をゲラで読んでいるところ。なにか支障があるのかと値札を見たら、記名・印あり、とある。たしかに初出一覧のページに、氏名印と、女性の下の名、買った日の日付が。しかし、小さいもので、マジックでデカデカとというものではなく、ぼくは気にならない。また、名が「I子」と、小説に出てきそうな名だ。I子さんのバトンを受け、この本は大事に持っておこう。
夜、酒を飲みながら、ユーチューブで「トキワ荘の青春」をまた見てしまう。これはDVDが欲しい作品だ。「ブ」でときどきチェックするが、まあ見ない。ということは、出てもけっこう高値だろう。
好きなことを仕事に選んだ者の幸せと不幸が描かれている映画だ。もう10年以上前の映画(1996)で、当時あまり名を知られていなかった小劇団などの俳優がたくさん使われている。鈴木卓爾阿部サダヲ古田新太生瀬勝久など。それがみな今や、日本の映画、ドラマの中心人物に。市川準の目は確かだ。ぼくはこの映画公開のとき、市川監督にインタビューしている。「ぼくも名前の出ない端役でいいから、セットでいいから、あのトキワ荘の廊下を歩きたかったです」と告げると笑ってらした。