朝、地震があった。夕べはなんとか、「堺正章が走る!」第2回目を送付。
茨木のり子『うたの心に生きた人々』は、もとは子どもむけに書かれた評伝で、山之口貘をおもしろく読む。
ナンダロウくんの新刊『谷根千 ちいさなお店散歩』を読んでいて、そういえば恵文社・堀部くんの『街を変える小さな店』という本もあったぞ、と気づく。「ちいさな(小さな)店」がたくさんある町、それでやっていける町というのが理想で、昨日、NHKニュースで紹介されていた武蔵小杉なんて、ぼくはまったく興味がなく、行く気もしない。先日、京王「永山」から一キロほど歩いた団地のなかへ、古ツアさんのブログで知った「あしたや みどり」という古本屋を訪ねてみたが、これは団地のなかにある古い小規模なショッピングセンターのなかの一店で、ほかにパン屋、喫茶、お菓子屋・タバコ屋などが営業、露店で帽子を売ったり、なんともたそがれた一角であった。夢のなかに出てくるような静かな光景。
古本屋といっても、おそらく寄付というかたちで提供してもらった本を、100円、200円つけて売っているというかんじ。入口に托鉢の僧あり。まさしく「小さな店」。文庫を一冊だけ買う。「500円」の箱には、ただ単に古く汚い本もある。
永山から聖蹟桜ヶ丘へバスがひんぱんに出ており、帰りはこれで鎌倉街道をびゅんびゅん走り、10分で着いた。
明日19日、国立「ビブリオ」で、工作舎・石原くんによるイベント2が、16時からあります。すでに通知した方、どうぞお忘れなく。
昨日は、午後「上々堂」へ補充と精算。お近くの方はどうぞ。「水中書店」へも寄る。
今日は歯の治療。午後から五反田へ。ガレージ均一で10冊ほど。本会場で、黒沢くんの棚から百田宗治の随筆集『私の綴方帖』を拾う。これはいい買い物。百田には『路次ぐらし』という名随筆集がある。全体に黒沢くんの棚がおもしろかった。「ローリング・ストーンズ」誌1973年版を買う。アート・ガーファンクルのロング・インタビュー。広告に陽水の「氷の世界」が。編集後記に、前号の発行が遅れたお詫びが。そうか、オイルショックで紙が払底した年だ。しかし、五反田は遅れて行ってもじゅうぶん買えます。
会場でトムズ土居さん、坪内くんと久々にことばを交す。土居さんには、ガレージ均一に根本進『クリちゃん』が状態が悪いが200円でありましたよ、と教える。これは、かなり珍しいはず。某新書に柳原良平カットがたくさん入っていることも御注進。坪内くんには開高健の話をふると、たちまち緊急打電のように重要な情報が次々と飛び出してくる。しまった。「エン・タクシー」の原稿を書く前に相談すればよかった。
神保町への車内で百田宗治を読む。梶井基次郎が下宿へ遊びに来た話。鬼貫の話をしたそうだ。そうか、梶井も鬼貫が好きだったんだ。鬼貫はいいよな。
スーパー源氏「岡崎」棚に補充。「古通」編集部へ寄り、樽見さんと原稿の打ち合わせ。帰りの電車、新宿でやっと席が空いて座ったら、中野から乗ったおばさん軍団に取り囲まれ、えんえんとムダ話を浴びせ掛けられる。眠ったふりをしていたが、地獄の苦しみであった。
さいきん、ウイスキーはもっぱらロックで。ロックの方がだんぜん旨いよ。なぜ、気づかなかったんだろう。