寒い日曜の朝。寝床で「文藝別冊 丸谷才一」を読む。
昨日は、長い長い相模線各駅電車に揺られるあいだ、せっかくの山本潤子の余韻が消えてしまった。しかし帰宅してビールを飲みながら、あたまのなかで、ずっと山本歌唱の「最後の春休み」が鳴っていた。さいきんの「ブ」などで流れるうたが気にくわないのは、メッセージばかりで、風景が描かれていないことだと気づいた。風景の描かれていない歌は軍歌と同じだ。
茅ヶ崎で、チケットを確保したあと「開高健記念館」、いくつか古本屋を回る。国立と同じく、茅ヶ崎も、北と南の印象がまるで違う。南の海側は高級住宅地。サーフボードをかかえた中高年を何度も見る。南側駅前には立ち食いそばも牛丼屋も見当たらない。かろうじて「ドトール」。サンドイッチ店でカツサンドを買い、ぱくつきながら歩く。
古本屋は「古本大学」「楠の木」をかろうじて踏破。前者は意外や組合加入店でちゃんとした品揃え。後者は外観と内観の差が激しい。くわしくは古ツアさんブログで。「ほづみ」は痕跡のみ確認。北口「古書吉祥」もシャッターが閉まっていた。ううむ。サザンと加山雄三の前に、古本は敗北か。
午後も寒い。晴れたかと思えば、雷、突風、雨。傘がめちゃくちゃに。駅前「ロージナ」へ、ユーセン・豆コンビと。図録50冊にサイン、落款捺しの作業。図録、すでに3分の2が在庫がはけたという。
大橋巨泉『それでも僕は前を向く』をメモを取りながら読む。明日は巨泉さんの取材。
頭から去らないこと、いくつか。