朝、カバンをがさごそしていたら、底の方から扇子が。昨日「和洋会」に小物がたくさんでていて、扇子を一本買ったのだった。カッパの絵、だと思う、が描かれてあって、それなら清水崑だと思うが、署名落款がまったくぼくの力では読めない。軽くて、まだ微かに白檀か何かの香りが残っている。
春というより初夏の陽気。今日、恒例の小平市民会館で古本バザーがあった。小平図書友の会の主催。古本甲子園ともいうべき、猛者と修羅(古ツア用語)が結集するイベント。勇んでいたせいか、明け方、「ブ」の夢を見る。105円でいい本がたくさん買えて、レジで興奮して店員に何か言ったらしい。「いくらいくらです」と合計金額を聞くと、買った105円×册数より明らかに高い。あれえ、と混乱すると、どうも買取りの値段らしい。買ったのに、売ったことになっているらしい。しかもそれがけっこういい金額なので、これは買取りのままお金を受け取った方がいいのか、いやいや、買ったんだから、お金を払って本を受け取る方がいいのか、しばしレジ前で悩んでいると目が覚めた。
小平市民会館には開始25分前着。すでに長蛇の列。5、6人前に古ツアさんの姿。早くに席取りをしている若者が、ぼくに挨拶に来る。すると、15番目から20番目の間ぐらいで並んでいた客が、突然、並び方のルールについて、友の会の人に抗議を始める。それに古ツアさんが巻き込まれ、以後、古ツアさんがずっと抗議男の話を聞いていた。それがしつこい。ぼくはおかしくて、ゲラゲラ笑っていた。こういう古本難に遭うのも、じつに古ツアさんらしい。ちょっと受難に耐えるキリストのようであった。
ぼくが並んでいた壁際の開いたところから、会場内の雑誌大型本コーナーが目の前に見える。別冊太陽の「中原淳一」が見えて、これが50円。よし、これを一番に抜こうと、各馬一斉にスタートにくっついて、一番にそこを目指すが、すでにあっさり抜かれていた。ほんの30秒ほどのあいだの出来事だ。
すし詰めに混乱した会場から、文庫30円、単行本50円を焦りながら抜いていく。知ってる顔がたくさん、あちこちで声をかけられ、その手元を見ると、さすが、いいものを抜いている。ますます焦る。けっきょく、この日買ったのは60冊ぐらいか。
古ツアさん、それに大阪から遠征してきていた「固有の鼻歌」くんを誘い、同じフロアにある喫茶・軽食のコーナーで歓談。上六「天地書房」が閉められたことを、固有の鼻歌くんから聞く。ぼくが上京するとき、二回に分けて大量の蔵書処分をお願いしたのが上六「天地」であった。古ツアさんが「今日はこれでどひゃっほう!」の二冊を見せられる。どちらも文庫。へえ、そうなの? それは気づかないやというものであった。買った「どひやっほう」については、ブログで開陳されています。
明日から私用で京都へ帰省。その新幹線キップを買いに国立へ。国立の大学通の桜は今日明日でかなり開くだろう。
角田さんから誕生日おめでとうハガキをもらってうれしい。林哲夫大兄からは図録のお礼にと絵葉書セット二種。こちらは使わせてもらう。