昨日は「がらくた」展経由、「スーパー源氏」古本講座第一回目。受講者が増えたので、会場は「三省堂」会議室で。新刊書店のなかで、しかも「古本市」担当の三省堂社員の方も受講者に加わってだから、古本の話をするのは気が引ける。明石と大阪からわざわざ聴きにこられた人がいるが、これは善行堂の講座にも参加した人だという。約半数がはっきり「古本屋をしたい」と希望している人で、古本屋志望の潜在的な数は相当あると思われる。
1時間半喋ると、やっぱり疲れた。毎日新聞社へ移動し、書いたばかりの芥川賞「読まなくても分る」というナンダカなタイトルの原稿の再校に目を通す。小山田さん、ごめんさい。受賞作を読まずに書いてしまいました。
行き帰りの車中は「新・折々のうた5」を。「になわれてゆくうめさへもさかりなる京(みやこ)の春の二月(きさらぎ)のそら」(大隈言道)は、日本画を見るよう。作者は初耳だったが、「幕末期最高の歌人の一人」とか。
18日「朝日」の別刷り「be」から、三つも記事を切り抜いてしまう。「早生まれは得ですか?」「乱発される『大丈夫』の研究」「家の中で時々『邪魔だ』と思うモノ」。「邪魔」の第二位が「本」だった。まだまだ、古本屋さんの買取り、隙間がありそうだ。
山田太一ドラマ「男たちの旅路」「猟銃」の回再放送を見る。吉岡に扮した鶴田浩二は当時52歳。独身のガードマンで、都電荒川線沿線のアパートに一人住まい。夜勤の帰り、近所の八百屋でミカン、缶詰、カップラーメン(カップスター)などを買い込む。紙袋二つ。1976年放映。下町にまだスーパーがそれほど普及していなかったか。ビニールの袋を提げて、というのは吉岡に似合わない。ほか、車のドアロックはドア内側の「ポッチを押して」ドアを閉める。吉岡が入院した病院の中庭のショット、女性患者の目の前で、医者がタバコを吸いながら談笑。考えたら、もう40年近く前の話なのだ。
テレビ的にタイトルがNGだったが、キーツ&カンパニー(森小路)で見つけた、橋本三郎『ロン・パリ評論』という新書が印象に残っている。中身は硬めのエッセイ評論集。橋本は函館出身の画家で外遊。その経験も書かれてあった。新書判。いま検索したら、800円から1000円。日本の古本屋ではたった2点。けっこう珍しい本だったんだ。