早く目覚めたので、日本映画専門チャンネルで未見の「丼池」を見る。久松静児が、大阪弁を駆使できる芸達者の女優を悠々と手駒にし、直視できないほどイヤらしい、大阪の「銭」哲学を描く。三益愛子と森光子の演技合戦は大いに見もの。司葉子が新興の金貸しという珍しい役どころ。しかしキレイ。橋と階段、川のパースペクティブを使ったラストシーンもよかった。こういう職人監督が手堅く仕上げた作品は、本当に落ちついて楽しむことができる。余勢を借り、カバンのなかに宮本又次『大阪万華鏡』を忍び込ませる。これが今日の外出時の読書。
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