いい天気がつづく。空気が透明で、黄色く染まったイチョウ並木がうつくしい。感じとしては5時くらいか、と時計を見ると、まだ3時を過ぎたところ。影が長い。「緑壱」展が終わり、放心しながら、粛々と日々の施行と雑用をこなす。
鴨下信一『昭和十年生まれのカーテンコール』幻戯書房瞳みのるザ・タイガース 花の首飾り物語』小学館、などを読む。堀部篤史『街を変える小さな店』京阪神エルマガジン社をラインをがしがし引きながら読む。店売りをしている小さな古本屋さんにも読んでもらいたい。街で生き、街を育てるヒントがここにある。
股旅堂目録がどーんと届く。あいかわらずの裏街道に特化した品揃え。おもしろがっていてはいけない、買わなきゃいけないが、とりあえずおもしろいので読む。
二十代の股旅くんが、八重洲ブックセンターを振り切るように辞め、世界を放浪した旅の体験が、さらりと巻末に書かれてある。もっと、この話、読みたい。
『蔵書の苦しみ』韓国版を出すことの打診が届く。もちろん、快諾。韓国にも蔵書で苦しんでいる人がいるのだろうか。もしフランス版が出たらどうだろう。フランス語の『蔵書の苦しみ』はどんな装幀になるか。ぼくのこれまでの著作のなかで、『蔵書の苦しみ』は優等生となった。