okatake2013-10-30

途中からだが、CS放送の「悪の階段」(鈴木英夫監督/1965)に惹き込まれ、最後まで見る。金庫破りで4人が大金を強奪。一人1000万の分け前(現在の貨幣価値で1億円近い)。半年、手をつけぬことを首謀者の山崎努が約束させるが、仲間割れが始まる。加東大介西村晃という申し分ないキャストに若い久保明が加わる。山崎の女が団令子。最初、団令子とわからず、「きれいな女優だな」と見とれていたが、そうか団令子かと気づいて驚く。階段を降りてくる場面にゾクゾクする。川本三郎さんの名言「女優はきれいでなくちゃいけない」。
最後の毒入りウィスキーグラスのすりかえ、そうなるとわかっているんだから、もう少しサスペンスがあってもよかった。ほか、お妾さんに久保菜穂子、社長に清水元とぴったりの配役。運転手俳優の佐田豊が巡査。4人の男のアジトとなる、新開地の吹きさらしの空き地に建つ不動産屋のロケーションもよかった。ほとんど室内か夜のシーン。モノクロのビジュアルが映える。
http://www.necoweb.com/neco/program/detail.php?id=2398
おお、いまググっていたら、清水元の娘は、「鉄腕アトム」でアトムの声をやった声優・清水マリだ。こんなエピソードも貼付けておきます。
「アトムを演じていた頃に、アフレコ収録を行うスタジオへタクシーで移動した際に、その自宅までの往復分の運賃で、1話分のギャラが全部なくなってしまったという、当時の声優の待遇の劣悪さを物語る話があった。」
鈴木創編著『なごや古本屋案内』(風媒社)、常磐新平『東京の片隅』(幻戯書房)いただいてます。ありがとうございました。
『なごや』は夕食どきに開いてみていたので、「ひょお」「ほうほう」「ヘー」など奇声を発し、娘に「黙って、ゴハン、食べなさい」と叱られる。これもって、名古屋古本屋めぐりしたくなった。あまりに広い店内の写真にうなる千代の介書店が未踏だし、小牧市の「小牧古書センター」の外観にもうなる。うなってばかりだ。林哲夫大兄も書いていたけど、ハルミンさんの文章、いいですねえ。すぐ、読み返したくなる。
『東京の片隅』のすっきりした装幀は真田真治くん。こういう技も使えるんだ。自由自在ですね。