okatake2013-10-22

酒浸りの毎夜で、どうもいけませんねえ。太田和彦『みんな酒場で大きくなった』に、川上弘美さんとの対談が収録されている。そういえば、先日の谷崎賞パーティにも川上さん、見えてて、たくさんの人に取り囲まれていた。とてもきれいでした。で、対談に出てくるのが吉祥寺「闇太郎」。『センセイの鞄』に出てくる居酒屋のモデルになった店らしい。検索すると、良さげな店だが、コメントで「客がよく叱られている」とある。ちょっとひるみますね。
大学時代、仲のよかった女の子のお姉さんから電話。この姉上、千葉の某図書館に勤めていて、ぼくのことは妹から聞いたらしく、その図書館で本の話を来館者相手にしてほしい、という依頼。もちろん引き受ける。
昨日、プロフェッショナルで藤子・F・不二雄を取り上げていて、興味深く見る。新宿の喫茶店「ピース」(西口ハルク内)へ行きたくなる。藤本弘はここで、ネームを作っていた。そういえば、新宿西口の、あれは「但馬屋」だったかで、故・上野文庫さん、キントト文庫さんとお茶したことがある。あれは新宿京王の古書展の帰り、だったのか。上野文庫さんの日本全国セドリ旅の話がおもしろかった。もっとたくさん話を聞いておいたらよかった。
新宿中央公園を抜け、熊野神社交差点角のビル内に、藤子Fの仕事場があった。自宅の最寄りは向ケ丘遊園。そうか、一時期、ぼくは近くに住んでいたわけだ。
高橋輝次さんから、『ぼくの創元社覚え書』(龜鳴屋)をいただきました。これまでの高橋本とひと味ちがう、可愛い装幀(グレゴリ青山さん)。創元社編集者時代の回想はもちろんのこと、例によって、古本漁りの日々における発見など、追記、追記で拾い上げて行く手法は、高橋さんらしい。高橋さんの在社中、その月、誕生日だった社員には、金一封が渡されたという。いい社風ですねえ。天牛本店で、積んである本の荷から「バイキング」を見つけ出し、まだ値がついていないのをレジで聞くというあたり、高橋さんらしい。「街の草」が、たびたび出てくる。創元社に半年だけいた丸山金治という作家の話が出てくるが、ぼくもどこかで丸山について書いている。津田さん、Mさんなど、強力な助っ人もいて、魔法のように、目の前に必要な本が登場してくるからすごい。限定540部というから、あっというまに売れてしまうだろう。興味のある方は龜鳴屋さんまで、急がれたい。
あと、吉上恭太さんの最新アルバム「オン・シノバズ・ブック・ストリート」をいただき、さっきまで聴いていました。ボサノバ調の曲が多く、ほんわかしてきました。シンプルなバックのアンサンブルもよく、吉上さん、こんなサポートを受けて、気持良さそうに歌ってらっしゃる。うらやましい。こんな詩が耳に残りました。
「さかなの およぐ うみだけを しんじて/うさぎが はしる もりだけを しんじて/やがて しおれる はなだけを しんじる」(「ぼくらのあやまち」)古本屋の歌もありますよ。