「朝日」朝刊読書欄の文庫・新書コーナーで『蔵書の苦しみ』が紹介されていた。まだ、引きがある、ということに驚く。ありがたいことだ。
昨日は夜、下北沢「B&B」で、稲塚監督と「書くことの重さ」についてトーク。駅がすっかり変わってまごつく。打ち上げで、稲塚監督とあれこれ、同席した若い社員二人をすっかりおいてけぼりで、古い話をする。堺正章エノケンに扮したドラマ、あれ、稲塚さんの演出だという。「菊谷栄が松任谷正隆でしたね」と言うと、「どうしてそんなこと知ってるんですか」と驚かれる。「遠くへ行きたい」ではユーミンの番組も作ったという。初期の傑作「天気雨」は番組のなかで作られた曲。おどろき、おどろき。
深夜、帰還。
今日は八王子古本まつり。いい天気。『タンタン』ほか、何冊か買う。佐藤書店さんへも寄って、均一でいいのを二冊。悪いなあ。それとちくま文庫『新編 昭和二十年東京地図』を。佐藤さんの近くの、前から気になっていた角のとんかつ屋(とんかつ定食が500円と大書に恐れをなしていたのだ。安すぎる!)へ入る。昭和な店内はお客さんでいっぱい。実質本位で経営。相席は当然という店で、みんなもくもくと食べている。出てきたとんかつは肉厚で、衣で化かしたようなところがなく、いや、うまい。これで500円か。外観を見たら、流行ってなさそうだが、入ると繁昌店だとわかる。いや、これはいい店。不思議な暗号の書いた大きな紙がテーブルにあって、ナンダロウと考えたら、これが注文書。ユニークだなあ。これを持って精算。また来よう。
そのまま腹ごなしにぽくぽく歩き出し、八王子の南、丘陵の上にある富士森公園を経由して京王高尾線「山田」へ。途中、「池畑書店」という古本屋を、地図の上にチェックしてあったのを確かめ訪問。帰ってから「古ツア」さんで検索したら、当然ながら踏破済み。こんなにうまく書けないので、そっちを見てください。http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/8855693.html
ぼくは、いまおそろしく高騰している野呂邦暢『草のつるぎ/一滴の夏』講談社文芸文庫を半額で。
山田からひと駅、京王片倉で下車し、横浜線「片倉」まで歩く。途中、地図に「ブ」の位置を書き込んであったのだが、行ったらなくなっていた。