「夏」はけっこう好きかもしれない。夕食後、スーパーまで散歩しながら、そう思っていた。夕風がすずしく、秋の風だ。あいかわらず蝉がかしましいが。
いや、年々、暑さが度を越し、慢性の熱中症みたいになることもあるのだが。コンクリのすきまから、はみだして自生する草や、色を変えていく空、空気の動きなど、生命力にあふれている季節。若いころは、そのパワーが苦手だった。
もともと生命力に乏しいが、50過ぎて、もっと蓄電池の耐用年数が減ってきて、なぜか「夏」という季節をおもしろく思うようになってきた。ビールもうまいしな。コルトレーンを聞こう。アンティーブでのカルテットでのライブ盤。ジミィ・ギャリソンの長い、ベースのソロがある。「ネイマ」に始まり、どれも美しい曲だ。
某「ブ」で、中沢新一細野晴臣『観光』ちくま、を見つける。いやあ、めったにお目にかかることのない本だ。もとの角川版となると、これはもっとだ。「芸術新潮」を2冊。「ゴヤ」と「冷泉家」。ゴヤカルトンによる、明るい色の一連の絵がおもしろく美しい。「藁人形遊び」とか。なぜ、後年、ゴヤの絵は「黒く」なっていったのだろう。この「芸術新潮」を読めばわかるのか。「芸術新潮」と「太陽」のバックナンバー、それに展覧会の図版だけ揃えた、屋根裏部屋が欲しい。
11日の下鴨にあわせた「スムース・ランチ」は、予約を締め切ったようです。ただし、グリル生研には、もちろん自由に入れますので、お近くの席に座っていただければ、仲間です。
大瀧詠一による「風立ちぬ」。