okatake2013-07-28

昨日、真夏の東京、夕方から夜、あの落雷と豪雨のさなか、ぼくは都心にいた。
日比谷野外大音楽堂で、この夜、渡辺貞夫山下洋輔のジャズライブがあった。知り合いの編集者が、「急に行かれない人がいて、席が一つ空いてるの。オカザキさん、いらっしゃいません」と。「わあ、行く行く」と飛び上がった。ぼくは日比谷野音はこれが初めて。ジャズもそうだけど、野音といえば、フォークでも岡林始め、伝説のライブがある。一度は、席に坐ってみたかった。
昼間は快晴ながら、どうも夜に雨らしい。100均でビニールの雨がっぱを買って、水筒に冷たいお茶を詰め、オペラグラスも用意して、準備万端で出かけた。その前に、ちらりと西部古書会館で途中下車。『ロスト・シティ・Tokyo』という都市論は初めて見る本で、ほか数冊を買う。おもしろ漫画文庫の背の壊れた『忍術虎若丸』が安く出ていて、これも。もう、こういう駄菓子本は買うまいと決めていたが、そうもいかない。
コウエンジからだと、総武線四ツ谷丸ノ内線に乗り換え霞ヶ関だ。
シャンシャン騒がしい蝉時雨のなか、かなりいい席で、この夜のライブを堪能する。演奏が止むと、セミ時雨。風がわたって思いのほか涼しい。空には雲が残っていて。ああ、こんな風景に包まれてジャズを、それも山下洋輔を聞く日が来るとは、思わなんだ。長生きはするもんです。
ところが、渡辺貞夫のセットになって、30分ほどしたところで、風が強くなり、あっというまの豪雨。いや、これはもう豪雨だ。ぼくはさっそく雨合羽を取り出す。すると、客の9割が、同じようにビニールの雨合羽を取り出し装着した。なんて、野音慣れした客ばかりなんだ。
予定より早く、「もういいでしょう、お客さんたち、家に帰った方がいいですよ」とナベサダが言い、山下洋輔のグループがなだれこんでのラスト。大いに盛りあがる。客もずぶぬれになりながら興奮し、いやいや、こういうライブもまた、のちのちまで語りぐさになるものだ。
帰り、浴衣姿の男女を多くみかけたが、これは花火か。最寄り駅まで戻って、一人、「王将」で生ビール、ギョーザ、唐揚げで乾杯。