よほど注意していないと見逃す、CSでの映画。ずっとスティーヴン・キング原作の映画をやっていて、こないだ「アトランティスのこころ」を再び見る。11歳の孤独な少年と、人の心を読む知的な初老の男との友情を描く。人の心を読む能力ゆえに政府の組織に囲われ、そこから逃げてきたのがテッド・ブローティガン。父親が6年前に死亡し、子どもより自分が大事というふうな美貌の母親のもと、孤独な少年がボビー。11歳の誕生日プレゼントが図書カードで、母親はボビーが心待ちにした誕生日ディナーも、自分の都合ですっぽかす。そのくせ、クローゼットには、ファッションショーが開けそうなきらびやかな服を揃えている。
時代は1960年頃。流れるのは「オンリー・ユー」。「赤狩り」なんてことばが出てくる。おそらく「ミツバチにキス」は、この映画から啓示を受けている。
好きなシーン、テッドに心服し、彼のためにアルバイトで新聞を読むボビーは、「危険な奴らを見張る」役目を受けるが、そのとき、テッドにこう言うのだ。
「あなたは、ぼくが守りますよ」