okatake2013-04-16

三国連太郎さんと沖浦和光さんの対談に、ライターとして同席したのはいつだったろう。ぼくが構成したそのときの対談が、『芸能と差別」の深層―三国連太郎沖浦和光対談 』(ちくま文庫) のなかに、一章、収録されている(構成者としてのクレジットはない)。それを調べればわかるのだが。80歳ぐらいだったのか。とにかく、背筋が伸びて、かっこいい人だなあと思った記憶がある。終わって、編集者を交え、みなで食事をしたが、緊張して何も喋れなかった。
取材でお目にかかった人が、次々と鬼籍に入られる。ご冥福をお祈りします。
昨晩、デイヴィッド・ハンドラー『猫と針金』を、最初のほう、ぱらぱらと読んでいて、これはゴースト・ライター「ホーギー」ものの一作だが、5作だか6作だかある、このシリーズはすべて品切れ。ちょっと村上春樹がミステリーを書いたら、こんな感じか、というタッチなんですね。双子みたいな兄弟が現れて、「風と共に去りぬ」を想像させる、大ベストセラー古典の続篇を書けと依頼されるシーンの描写、やりとりなど、春樹タッチだ。というより、ともにバックボーンとなるチャンドラーやアメリカ文学が似ているということか。さいきんでは、「ブ」でもあんまり見かけなくなったが、それでも探せばあるでしょう。『フィッツジェラルドをめざした男』あたりから読まれるといい。
それから、小山田浩子『工場』は、やっぱり傑作でした。ちょっと、読んだことのないような、ヘンテコな小説で、読者の予測をどんどん裏切って、変な世界へ誘い込む。もちろんカフカ的と言えば、話は簡単だが、ちょっと違う気がする。これは、なんだろう。
海ねこさんはニューヨークへ行っているらしい。お土産話を期待しましょう。こちらは東京の郊外でしこしこと生きています。
夕方、三鷹上々堂」へ、精算と追加補充してきました。お近くの方は、ぜひお立ち寄りください。
深夜、こんな歌はどうでしょう。