okatake2013-04-04

河出文庫の新刊、藤本義一傑作選『鬼の詩/生きいそぎの記』が出ました。ぼくが解説を担当しております。ここに収録された藝人小説は掛け値なしの傑作。ぜひ手に取ってみてください。文庫解説は気が張るけど、やりがいのある営業品目で、うれしい仕事です。
富士正晴記念館から富士正晴『東京漫遊記』が送られてきて、うれしかった。富士の上京記と単行本未収録文章からなる。口絵写真は、開高健が撮影。野間宏宅で、開高が持参した寿屋が社内で頒布したウイスキーを、富士がついでいるところ。よれよれの丸首シャツを着ている。
今朝の朝日で、小林秀雄河上徹太郎の対談を録音した音源が、初めてCDとして、今月発売「考える人」に付録として付くニュースが伝えられていて、切り抜いておいたが、今日、その「考える人」をいただいた。その流れで、「音羽館」均一で島弘之小林秀雄』を買ってしまう。読むかなあ、こんなの。まあ、いいチャンス。「考える人」メルマガもちょうど届いて、編集発行人の河野通和氏が、この対談CDを付録にするいきさつ、「考える人」が小林秀雄特集である旨を書いている。ちょっと始めを引用させてもらう。

「数日前、人と雑談をしていて、ふと思い出した光景があります。早稲田のパチ
ンコ店に、刊行されたばかりの小林秀雄の『本居宣長』(新潮社)が景品として
並べられ、それをいち早く勝ち取った友人が意気揚々としていた姿です。彼は
吉本隆明全著作集』(勁草書房)の大半もそうして手に入れたつわものでした
が、小林秀雄畢生の大作がパチンコの景品として並んでいた時代があったという
ことを、いまの人は想像できるでしょうか。

 そして、これは私もすっかり忘れていましたが、この『本居宣長』の刊行を待
ちかねていた愛読者が、発売日に直接新潮社まで本を求めにやって来て、それが
長い列をなしたことがニュースになりました。当時、それを7時のNHKニュー
スでたしかに見た記憶があるのです。また年の暮れには、この本がお歳暮として
も重用されたといいますから、うたた今昔の感にたえません。」

ねえ、すごいねえ。小林秀雄が文芸のスターだった時代があった。今月の「考える人」は、買い、でしょう。
ほか、今日は新聞を整理。切抜きをする。松田育子さんって、きょとんとした美人。小指を失った元組員の義肢を作る職人の話。280円で買った椀が2億で売れたなんて話も。法政大は古本を売却し、学生を支援。音楽の評では、グレッチェン・パーラトいう女性ジャズ・ボーカリストに注目。エトセトラエトセトラ。
小室等がジャズのスタンダードを含む、ピアノ(谷川賢作)とギターだけで録音したアルバム「ノー・グッド・ウィズアウト・ユー」がアマゾンから届く。訳詞は和田誠。プロデューサーは谷川俊太郎。ジャケット写真は荒木経惟
今日は間違いがないだろうな、あったらごめんなさい。