何が気に入らなかったんだろう。50階建てビルの最上階にある美術館で、職員や従業員に「こんにちは」と言うべきところを「さようなら」、ほか「まったく不愉快な空間」「薄汚い装飾」と、実際とは逆のことを言い続ける夢を見た。
昨日は、筑摩の編集者二人と打ち合わせ。『昭和30年代の匂い』を増補して、ちくま文庫に入れてもらえることになった。5月初めの発売となります。増補は、「大人の男の匂い」について書きました。
ほんとうに、忘れた頃に聞く「オールナイトニッポン・ゴールド」、拓郎が休みで、坂崎のお相手が南こうせつ。古い時代の話がおもしろかった。フォークルの出現を、その新しさと衝撃性を「フタが取れた(感じ)」と表現するなど、こうせつ、冴えています。見なおしました。かぐや姫時代、年間120本もコンサートをしたが、「あの時のお金はどこへ行ったのか?」(相当稼いだはずなのだが)。とにかく人前で歌うのが楽しくて仕方がない。お客さんが一杯ですよ、と言われたら、それだけでうれしい。終わって、おにぎりを食べるだけで幸せだった。
マーティンのDー45を、当時、プロで持っていたのは三人。誰が持っているか、誰が買ったかが業界で知れ渡っていた。加藤和彦石川鷹彦、ガロのトミーの三人。「いま生きてるのは、イシカワさんだけか」。D-28がポピュラーで、それでも30万近くした。いまの物価で換算すると150万くらい。「ラーメンだと、いったい何杯分になるか」。
かぐや姫に拓郎が提供した「ぼくは何をやってもだめな男です」は、拓郎が自宅録音で録ったのを最初聞かされて、レコーディングした(作詞は正やん)。当時、ティアックの4チャンネルのテープデッキを持っている人は王様だった。
楽しい話が続いた。ほんと、残りの人生、昔の話だけして、もういいんじゃないか。
北杜夫「夜と霧の隅で」を読む。うかつだった。タイトルの「夜と霧」はそういうことだよ。