okatake2013-01-31

「サンデー」書評、前回、寺島靖国『JAZZ偏愛主義』を「いちおし」に押し込んだことで、単行本枠からはずれた桜木紫乃ホテルローヤル』を今週執筆分の「いちおし」(事実、すばらしい作品)にしたら、集英社が二冊になってしまった。気づいたのが、すでに原稿を書いた締め切り日ということで、辻原登『冬の旅』を次回にまわし(これもいい作品なんだなあ)短評の代替の本を。ちょうど届いたばかりの尾崎俊介『S先生のこと』(新宿書房)をあわてて読んで取り上げる。「S先生」とはアメリカ文学者の須山静夫のこと。著者はその生徒で、二人は師弟でありながら、購読の授業で対等にわたりあうようになる。須山は愛妻と、二十歳になる息子を事故で失っていた。彼が取り組んだオコナー、メルヴィルもまた、死にまつわる履歴を持つ。四方田犬彦『先生とわたし』と、対になるような本だが、むしろぼくは、漱石の「こころ」を思い出していた。
ほか日下部五朗『シネマの極道』、湊かなえ『望郷』、古賀義章『飛雄馬、インドの星になれ!』、春日太一仲代達矢が語る日本映画黄金時代』、梯久美子『百年の手紙』、由良君美『みみずく古本市』、吉村昭『七十五度目の長崎行き』、米田憲司『御巣鷹の謎を追う』宝島SUGOI文庫を紹介。付箋がまたたくまに減っていく。
産経新聞からひさしぶりに書評依頼あり。篠田正浩の新作評論『路地の信長』。またもや幻戯書房
今日は「サン毎」の本選びをして、とんぼ返りで国立「ビブリオ」で、音羽館さんに来てもらって残った本の処分、また中央線で新宿へ。今夜は某社と飲み会。昨日、中央線が五時間、止まったとニュースで知り、今日でなくてよかったよ、と思う。ああ、それで国立駅前のバス乗り場にどこも長蛇の列ができていたのか。
かぴぱら堂さんが、「業務日誌」で、先日の「オカトーーク」の内容を記録してくださっています。ありがたし。ぼくの意図をちゃんとくみ取ってくださっていて、さすが。
http://d.hatena.ne.jp/shirokuni/20130129#c
そういえば、今回、お客さんに何もプレゼントしなかったな。トークだけ聞きに来られた方もいて、各店から一冊ずつ提供してもらって、プレゼントしてもよかった。まったく、余裕がなかったな、と反省。