コレクション・アモール

okatake2013-01-29

熊本マリモンポウ・眠れる詩人の旅」を聞きながら。
にわとり文庫」で買った一冊が、昭和24年二見書房刊「コレクション・アモール」シリーズ第一巻のボリス・ヴィアン『墓に唾をかけろ』。こういうのが出てたんですね。カラー口絵がたくさん収録されているのが特徴。本書のイラストは杉村篤。70年代、カラフルでサイケなイラスト、本のデザインで眼を引いた。ぼくの印象では、角川文庫の筒井康隆カバーがこの杉村篤だった。これから再評価されるべきイラストレーターの最右翼ではないか。
カバーが巻かれ、その上からビニールカバーがかけられているが、そのため出版社名が奥付をみないと、あるいは帯をはずさないとわからない。奥ゆかしいというか、うかつというか。このシリーズ、バルビュス、ダレル、ブルトンマゾッホバタイユなど異端、幻想海外文学を収録(第一期が10巻)。こうなると、それぞれ、誰がイラストを担当したか気になります。写真は帯、ビニカバをはずして。
「日本の古本屋」をチェックしたが、出点数は少なく、それほど古書価はついていない。でも、見ればわかりますが、これは売り甲斐のあるシリーズですよ。専門家の意見を聞いてみたい。
あるサイトhttp://mall.fc2.com/item/thinkzink/432/で、この本の裸本が1000円(訳者サイン入り)で出ていて、「1967/12/12(昭和24年とあるのは誤植)」と書いてあるが、しかし、裸本の本体デザインが、ぼくの所持しているのとはあきらかに違うんですね。どういうことだろう。ただし、巻末の訳者解説を読むと「底本としてスコルピオン社一九四六年刊の初版本を使用した」とあるから、たしかに、昭和24(1940)年初版では時制が合わない。見た感じ、杉村篤の活躍期を考えれば、1967年初版と考えるべきだろう。昭和42年と書くべきところを24年と書いてしまった。あるいは打ち間違えた。この一点で珍品。
忘れていました。「BOOK5」名画座の時代!特集号が非常にいい出来で、盛りだくさんで充実し、隅から隅まで楽しんだ。「かんべ」ガール・のむみちさんを主演女優に、朝倉史明、塩山御大両氏が助演男優賞ものだし、左岸洋子さんが連載以外に映写技師時代の話を書いている。ふむふむ、へえ、そうなの。
新春鼎談は塩山御大のすばらしい暴走に、若い二人がなだめながらブレーキをかけつつ、映画館の時代の記憶を目撃する。映画館では映画の話をするな、など恫喝的名言をはさみながら、若き日に牛乳配達をしながら「渡り鳥シリーズ」を見た、なんて塩山さんの話は、あんたいったいいくつだよ?とツッコミたくなる。いつもながらの「ギンレイ」の悪口にも堪能。ぼくはイヤな思いはしたことないがなあ。そのかわり、ぼくは塩山さんの賭場であるフィルムセンターは行ったことがないんだ。なぜだろう。ホモ客、というのも知らない。かつて「buku」で、ホモ客ネタを書いたことがあるけど、あれはウソです(それをバラしたら、北條くん、「えっ、あれ、ウソなんですか?」と驚いていた。ごめんなさい)。
「映活女子(初めて聞いたなあ) 若草会座談会」にも映画萌えしました。