オカトーーク!

okatake2013-01-20

昨夜、26.27国立ビブリオ「古本市」出店者が顔を合わせ、打ち合わせ兼新年会をする。13歳から古本屋巡りをしているという「桐壷屋」さんの話を聞くと、ぼくと10歳しか変らぬのに、80歳ぐらいじゃないかと思えるほど年期が入った古本者だ。「にわとり」さんが、ふつうの古本屋だった「ブックオフ」一号店へ行っていた話など、次々と飛び出す古本話。これらをすべて放出するつもりなのが、古本市初日修了後の26(土)18時30分から始まる「オカトーーク! 古本芸人たち 古本屋はつらいよ楽しいよ」であります。古本屋開業講座みたいな話もするつもり。予約受付中です。「ビブリオ」042-511-4368まで。トーク修了後、各出店者が、自分のブースから古本をそれぞれ5冊ずつぐらい選んでもらい、みなさんの前でプレゼンをして、その場で買ってもらうという趣向も考えています。ふるってご参集ください。


小田光雄さんがずっと手がけている論創社「出版人に聞く」シリーズが、どれもとてもおもしろい。基本は、小田さんが、疾風怒濤をくぐりぬけた編集者、営業、書店員などに、綿密な準備をしてインタビューする形式。これが、簡単な質問に終わらず、聞き手自身の解説が、ときに著者名として冠せられる主役より多い分量になり、一冊の流れを作って行く。非常に濃いインタビューになっている。
先日、音羽館で買ったのが『本の世界に生きて50年』。著者は能勢仁さん。千葉の大手「多田屋」から始まり、「平安堂」でフランチャイズビジネスのコンサルタントをし、創業期「アスキー」で出版、「太洋社」で取次と、出版業界のすべてを経験した珍しい存在。書店の変貌を、その渦中で体験してきた人ならではの話がおもしろい。それに、ぼくなど、知らないことばかり。地方の大手書店の存在感。書店の雑高書低構造、1972年の書店スト、「図書」「波」など出版社のPR雑誌が、書店のヘビーリーダー向けに作られた側面があり、書店は一定部数それを買い上げ、客に送っていた等々。建築ブーム、あるいはヤマハとの提携といった、他業種と書店の売上げの関係なども興味深い。
それともう一つ。ぼくは、書く仕事がしぼんできたら、車に古本を積んで、老人ホーム(と今は言わないか)を回って、移動販売するということを考えていたが、すでに、老人向けの大活字本を企画した出版社があり、しかしこれは頓挫した。大半の老人はテレビ、カラオケ、旅行は好むが、本など読まないというのだ。これは考えさせられた。