特殊な顔をして、それが女優としてまったく独自な路線を歩ませることになった片桐はいりの『もぎりよ今夜も有難う』というエッセイ集を誰かがホメていて、昨日、古本初詣でともいうべき高円寺の即売会へでかけたとき、その片桐の別のエッセイ集『グアテマラの弟』を買う。片桐の家族物語ともいうべきエッセイ集で、弟がグアテマラスペイン語教室の女性と結婚して住んでいる。そこへ訪ねていく、というのが主要な話だが、それが、いきなり歯ブラシの替え時がわからない、というネタから入る。なるほど、これは読ませます。
嵐山さんの『悪党芭蕉』がおもしろく、掲載されたいろんな句を読むうち「捨て衣かかる坊主の花の頂」という破調の句が突如、頭に浮かぶ。自分で作りながらどういう意味かわからず、一種のハナモゲラ俳句なり。いま10数冊を平行して、めちゃくちゃに読んでいる。