okatake2012-11-12

一昨日は、栄「ブ」で単行本のほうの『古本道場』を。昨日は「盛林堂」で『古本でお散歩』を買う。どちらも手持ちがそんなにない。買っておこうと思う。
『お散歩』が2001年刊。これが初めての文庫だった。書き下ろしだったんだ。よくやったなあ。カバーデザインは南伸坊さん。表紙のイラストはぼくで、目次にもいくつかあしらわれているが、南さんから、古本にまつわるカットをいくつか描いてくれ、と言われたのだ。その原画が最近見つかり、「ビブリオ」で展示された。なつかしい。
昨日、「音羽館」で、一路さんが『上京する文學』を買ってくださり、「戎」でサインを入れたのだが、そのとき一路さんが「岡崎さんの本、見返しがオレンジ色という印象がありますね」と言われる。なるほど、『古本道場』単行本の見返しも濃いオレンジだ、とこのとき気づいた。いま、目の前に『古本道場』があるが、これはぼくの単著だったら、こんなデザインにならなかっただろうと思われる、セキ・ユリヲさんのデザインワーク。口絵のカラー写真も含め、神経の行き届いたきれいな本だ。これはやっぱり角田光代さんあっての本だったなあ、と冷静に思う。ぱらぱらと読み返したけど、いや、いい本ですよ。ポプラ文庫はあんまり売れなかったみたいで、迷惑をかけているが、単行本の方をぜひ見つけて買ってください。
生涯に、本を一冊出せればいいと願い、1990年春に上京してきたわけだが、こんなに本が出せるとは思ってもみなかった。ありがたいことだ。守護天使ガブリエル様に感謝だ。一冊、一冊が自分の分身であり、愛着がある。でも、ときにそのことを忘れて、不平不満を抱くのですね。もう少し、賢くありたい。
長い疲れの尻尾を断ち切れず、わだかまったまま、月曜を迎えた。しかし、今週はふたたびの関西出張が待っている。蟲文庫、それに姫路「風羅堂」へも行ける。それまでに仕事を片付けないと。