昨日、「日刊ゲンダイ」書評、いとうせいこうみうらじゅん『見仏記ガイドブック』を午前中に送って、早めに外出。
「サンデー」で、書評用の本、10冊選び出し、地下鉄乗り継ぎ秋葉原。出掛けにカメラが見つからない。「サンデー」編集部へ行けばなんとかなると思ったが、今日はぼくが急きょ早出で、まだ担当が来てない。仕方なく、アキバ「ヨドバシカメラ」へ飛び込んで、「いまからすぐ使うので、使いやすいデジカメちょうだい」と店員に言って、いつも使っているキャノンのバージョンアップした8倍ズームで動画も撮れるのを買う。三省堂店長に『ビブリア堂』についての取材。JRで神楽坂。角川書店のでかいビル(いつのまに、知らなかった)に入っているアスキー・メディアワークスで、『ビブリア堂』編集者と宣伝部のお二人に取材。
ここまで途切れ無しにきて、神楽坂のカフェに沈没。しばらくテーブルにつっぷしていた。50過ぎてムチャはいけません。
なんだか、足が遠のきつつある「ギンレイ」で、このあとウディ・アレンミッドナイト・イン・パリ」を見る。おもしろかったですよ。パリの町を冒頭できれいに撮っていて、やがて雨が降り始める。主人公の男性はハリウッドで映画の脚本を書いているが、小説を執筆中。婚約者の両親にくっついて、パリへ来ている。婚約者とも、両親とも、そりがあわないのは明白。1920年代のパリに憧れ、パリに住んで小説を書きたいと思っている主人公は、ある夜、クラシックカーに乗り込み、1920年代のパリへタイムスリップする。フィツジェラレルドとゼルダヘミングウェイ、ジョセフィン・ベイカー、ピカソガートルード・スタインなど、きらめく芸術家たちと対面する。
男たちのミューズである女性にやがて惹かれ、彼の人生は変わっていく。そんな話だ。それぞれ実物そっくりの役者を集め、ウディ・アレンの洒落っ気がうまく出た映画だ。
ぼくなら、どの時代、どこへ行くか。やっぱり井伏鱒二木山捷平、上林がいた阿佐ヶ谷会(青柳邸)でしょうね。あるいはぼくが二十代に戻って、開高のいたサントリー宣伝部か。開高が「きみはライター志望か。ちょっとついといで」。「メモは取らないんですか、開高さん」。「覚えてへんようなこと、書いてもしゃあないやろ。すべては魂にメモをするんです。ここやで、キミ(にやりと笑う)」。「かー、すごいです開高さん」。「ほめても何にも出へえんで」。