okatake2012-05-26

神戸で、林哲夫さんの「パリの書店を描く」展が開かれるぞ。そうか、そのために熱心にパリで書店古書店を巡っていたのか。6月半ばから二週間。ちょうど、そのころ、仕事で神戸へ行けるといいのだが。
http://sumus.exblog.jp/18322770/

昨日、「古通」原稿、ギリギリで押し込んで外出。上中里から王子、梶原、早稲田コースについて書く。一昨日取材したばかり。飲んだらすぐ吐く。まるで鵜だ。
電車のなかではドナルド・キーン。「和洋会」では、某書店が肌色背の中公文庫を目もくらむような大量放出で、しかもすべて書店スリップつき。どういういきさつで入ってきたものか。しかし、あまりに多すぎて、うまく選べない。いったん、その場を離れるが、また戻って、今度はいくつか基準を定めて探索。以下を200円均一で。田中小実昌『イザベラね』、後藤明生『夢かたり』、足立巻一立川文庫の英雄たち』、武井武雄『本とその周辺』。いずれも一度処分したもので、買い直し。
外へ出るとあいにく雨が降り出した。コミガレをちょっと触り、サンデーへ。丸谷才一池澤夏樹編『愉快な本と立派な本』毎日新聞社をもらう。これは毎日「今週の本棚」20年選第一弾で、全三冊刊行される。瀬戸川猛資さんの名前を、冥福しながら見る。
雨で神保町滞在が短く、仕事が早く終わり、2時の回からの「ギンレイ」に間に合う。二本見る。「幸せのパズル」と「灼熱の魂」。ジグソーパズルのはまった平凡な50歳主婦の冒険と、双子の姉弟が、母親の死後、思いがけない自分たち、母、知られざる父親の過去を知ることになる、とまあ、簡単に言えばそんな二本。後者は中東紛争の過去が語られる、重い映画で、年をとったせいか、重い映画はどんどん重く、身体にこたえるようになった。過敏に反応して、身体のどこかが痛くなるのだ。
富士吉田の中植さんから通知。ついに月光寺で古本屋を始めたそうだ。おめでとうございます。名前は「不二御堂」。古本のほか、富士もの、エトセトラとある。レコードや中古雑貨も扱うそうだ。これは古ツアさんにとりあえず行ってもらおう。
住所は富士吉田市下吉田3−6−44 木曜定休で営業は午後3時から8時まで。中植さんは地元の文化的名士で、顔も広く、すでにお客さんがつき始めているらしい。頼もしい。
日本映画専門チャンネル市川崑「億万長者」(昭和29)を見る。アニメーションを実写で撮ったような人物表現(山田五十鈴の超早口がみもの)、いかにも市川らしい。このブログが、非常にくわしい解説になっている。http://blog.goo.ne.jp/langberg/e/47da4baa12027ad5aa3a69d8a0ebcf86
議事堂がぽつりとスカイタワーみたいに、何度も映るが、それが見える場所に大きな空き地があって、貧しい子どもたちが遊んでいる。またその向う、かまぼこ型宿舎が見える。これがワシントンハイツだろう。原爆づくりに励む貧しい少女に久我美子。なりふりかまわぬ(髪も服装も)突進少女で、傾いたバラック建てボロ家の二階で、家賃も払わず、食うものも食わず原爆を作っている。そのことは平気で、家賃を払ってくれと訴える高橋とよもまたおかしい。伊藤雄之助が出てくると、伊藤雄之助の着ぐるみを着た伊藤雄之助みたいに見えてくる。多々良純がまた出た。