85年生まれの小林達夫が長編初監督をした「カントリーガール」、ちらしとパンフをいただきました。両方とも、映画同様、なんともいい仕上がり。ぼくは北條くんに誘われ、試写を観て、えらく気に入ってしまった。脚本は渡辺「カーネーション」あや。今月、渋谷ユーロスペースで公開中。試写ではセリフが聞き取れなく、それが監督の意図だろうと思ったが、「ノイジーな整音は意図的」とある。やはり。しかし、試写室の音響の問題もあったとか。ユーロでは改善されているはずです。新人の鮮やかな登場、はいつでも気持ちがいい。
作家の吉村達也さん死去。享年60。ぼくはいい読者ではなかったが、『読書村の殺人』を,一時興奮して伝えたのだった。作品のできがどうとかではなく、「読書村」という存在に驚いて、それを書いた小説の存在を知ったのだった。氏のオフィシャル・サイトには以下の訃報が。
「みなさん、こんにちは。 長らくごぶさたしておりました。 突然ですが、私はこの度、死んでしまいました。 なお、QAZの正体、魔界百物語の真相、私の葬儀の段取りなど、詳細については後日お知らせ申し上げます。」
木村衣有子『のんべえ春秋』(木村半次郎商店)落手。特集が「居酒屋コップとワインコップ」。文も写真も編集も木村さん。新書サイズで読みやすく、いい仕上がりだ。中グラビアはカラーで、持ち重りのするガラスコップの質感がみごとに表現されていて見惚れる。千葉の空きビンを再生するガラス工房のルポなど、酒を入れて飲むコップとはなんだろう、その存在感についての考察がなされている。酒は喉を通るが、直接手では触れない。手で触れるのはコップで、それは酒を受けるだけではなく、身体と一体となった、いい気分になるための装置なのだと、『のんべえ春秋』を読んで考えた。酒場のカウンターに置かれてあると、ついつい手がでそうな個人雑誌だ。酒を飲みながら、片手で読めるのもいい。
6月いっぱいで毎日「あった、あった。」が終了。TBSラジオにつづき、生活の一部となったような仕事が終わる。経済的にも大変だが、地固めをしてさらに打って出る跳躍力が欲しい。一回、一回が勝負だなあ。
五つ葉くんが、ラジオ深夜便に登場します。痕跡本旋風は続くよどこまでも。

NHKラジオ第一ラジオ深夜便
5月21日(月)午前1時10分過ぎから
列島インタビュー
「痕跡本で広がる本の楽しみ
  〜古書店店主 古沢和宏さん〜」